犬の病気対策マニュアル

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犬の耳が臭い!赤い!茶色の膿が出る!痒がる場合はマラセチアかもしれません

      2016/10/02

犬の耳

ふとした時にワンちゃんから、酸っぱいような、甘いような、発酵し過ぎた納豆のような、かいだことのないクサいにおいがしたことはありませんか?
そのにおいの原因、耳の病気かもしれません!!!

■うちの子の耳から発酵臭!?これって耳の病気なの?

ワンちゃんの耳を嗅いでみたらクサかった経験をお持ちの方、多いのではないでしょうか。
その中でも、特に多い「発酵臭」についてお話しします。
納豆がもっと発酵して、そこに酸味と甘みがプラスされたにおいとでもいいましょうか。
とにかくクサい!そのにおいの原因は、「マラセチア」というカビの一種が関係しています。
このマラセチアが悪さをして、耳の病気「マラセチア性外耳炎」になると、あのクサいにおいが発生します。
アナタのワンちゃんから、プーンと香ってきたら、外耳炎になっているかもしれませんよ…

■マラセチアとは?

マラセチア、聞き慣れない名前ですが、その正体は、真菌(カビ)の仲間で酵母様真菌と酵母菌の一種。
直径3〜5μmと小さく、顕微鏡でみると、「ボーリングのピンの形」や「だるまの形」をしているのが特徴です。
酵母菌と聞いて思い浮かぶのは、パン作りには欠かせないイーストですが、マラセチアはその仲間です。
そういえばなんだか、耳の発酵臭とイーストの臭い近いような気がしませんか?
悪さをするやっかい者と思われがちなマラセチアですが、健康な皮膚にもいる「常在菌」とよばれるものです。
数が異常に増えさえしなければ、悪さはしません。
実は人間の皮膚にも常在しているんですよ。
マラセチアは湿ったところで増殖しやすいため、犬の耳の中、特に垂れ耳の犬の耳を好みます。
湿ったところの他に、脂っぽい環境も大好きで、そこでも増殖します。
皮膚のバリア機能が低下する皮膚病(脂漏性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など)を患っている犬では、脂っぽいフケが増えるためそこにマラセチアが増殖し症状を悪化させることもあります。

■マラセチア性外耳炎の症状

ダックスフンド

耳の中が赤く腫れて、痒みをともない、黒や茶色の耳垢が大量に発生します。
もちろん、クサいにおいもしてきます。
獣医さんの中には、この特有のにおいだけで、マラセチア性の外耳炎を見抜いてしまう方もいます!!!
症状としては、ひどい痒みが特徴です。
後ろ足でしきりに掻いたり、壁や床に耳をこすりつけたり、頭をブンブン左右に振ったり…これら全て耳が痒いときの行動です。
激しく掻いたことで、耳の中が傷つきマラセチア以外の細菌が感染して、外耳炎が悪化することも多くあります。
耳の痒みが気になるあまり、食欲が落ちてしまうワンちゃんもいます。

■マラセチア性外耳炎の検査と治療

耳がクサいかも!?と思ったら、まずはかかりつけの動物病院に相談してくださいね。
ペットショップなどでイヤークリーナーが売っていますが、飼主さんの自己判断で間違った成分のものを使うと、症状が悪化してしまうことがあります。

●病院での流れ

・検査

まず耳の検査が行われます。
耳鏡(じきょう)と呼ばれる耳専用のライト付き拡大鏡で耳の中を診ます。
これは、耳の中の腫れ具合や中耳・内耳の状態を確認するために行います。
マラセチアは小さく耳鏡では見えないので、耳垢を取って顕微鏡で確認します。
病院によっては、顕微鏡で見えたマラセチアを見せてくれるところもありますよ。

・治療

マラセチア性の外耳炎は、マラセチアが感染して起こるわけではなく、マラセチアの数が異常に増えたことで起こります。
マラセチアを減らして通常の数に戻してあげることが治療になります。
増え過ぎたマラセチアを減らすため「点耳」といって、耳の中にお薬を入れる治療をします。
病院で1回つけただけでは効果がないので、獣医さんの指示通りお家でも毎日薬をつけます。
2週間から4週間ほどでマラセチアがからり少なくなるはずです。
しかし、マラセチアは少し良くなったからと途中で点耳を止めてしまうと、すぐに数が増えぶり返してしまいます。
必ず獣医さんのOKが出るまで点耳を続けてくださいね。
あまりに炎症が強く耳の腫れがひどいときは、ワンちゃんが痛がるのでその場では耳の処置をせず、内服治療からスタートすることもあります。
抗真菌薬と感染予防の抗生剤を使うことがほとんどでしょう。
マラセチア性外耳炎はひどい痒みがあるので、痒み止めも出してほしい!とお思いですよね。
しかし、マラセチアが属する真菌類は、「痒み止めを使うとさらに増える」という困った性質があるため、痒み止めは処方できないのです。
内服治療で炎症が落ち着いたら、点耳の治療をおこないます。

●予防するには?

犬

何度も言いますがマラセチアは常に耳の中にいます。
外からやってきたカビに感染して外耳炎になるのではないということはもうお分かり頂けたかと思います。
外から入ってくるカビを防ぐと言われればイメージしやすいですが、すでに耳の中にいるマラセチアを増えないようにするのはどうしたらよいのでしょう。
それは、耳の中を清潔に保つことです!
なにも症状がなくても、定期的に耳掃除をして耳を清潔に保ちましょう。
お家で耳掃除をするイヤークリーナーもできれば動物病院から処方してもらってください。
ワンちゃんの耳の構造上、イヤークリーナーがきちんと拭き取りきれずに耳の中に残ってしまうことが多いです。
多少耳の中に残っても安全な成分で作られているものを、獣医さんに選んでもらうのが安心です。
また、垂れ耳の子は、通気性をよくしてあげることも予防になります。
耳の中に毛が生える犬種では、通気性がわるくなるので、耳の中の毛を抜くことも必要です。

■さいごに

あのにおいを、うまく言葉で表現するのは難しいのですが、なんとも独特なイヤなにおいです。
一度嗅いだら決して忘れられないと思いますよ。
あれ?クサい?と感じたら、まずはかかりつけの獣医さんに相談してみてください。
予防的に耳掃除をすることで大切なワンちゃんをマラセチア性外耳炎から守ってあげてくださいね。

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