血便が出る

犬の血便!下痢や嘔吐を伴う時に考えられる原因の病気とは

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犬

動物病院には、ほぼ毎日と言ってもよいほど、下痢や嘔吐を訴えるワンちゃんが来院します。
下痢の中でも、飼主さんが特に心配なのは「血便」ではないでしょうか。
お察しの通り、出血を伴う下痢、嘔吐の症状がでる病気には、放っておくと命に関わるものがあります。
例え出血を伴っていない下痢、嘔吐だとしても、命に関わる病気が潜んでいる場合もあります。
大切な家族の一員であるワンちゃんの体調の変化に気がついてあげられるのは飼主さんだけです。
下痢や嘔吐を伴う時に考えられる病気の中で、早急に治療が必要な危険な病気についてお話ししていきます。

■最も緊急!子犬に多いイヌパルボウイルス感染症

犬

この病気をすでにご存知の方は大変多いのではないでしょうか。
大変強毒なウイルスで、感染するとウイルスに対する治療法がないため、そのまま亡くなってしまうことが非常に多い病気です。
ワクチン(予防接種)で感染を防止することが出来ます。
(※ワクチンを打っていても、絶対に罹らないというわけではありませんが、罹ったとしても軽症で済むことがほとんどです。)
ワクチンを打っていないまたは、ワクチン接種が終わっていない時期の子犬に多く発症しますので、新しい子犬を迎え入れる際、先住犬がいる場合は子犬から病気が移らないように注意が必要です。

●症状

灰白色〜血様の下痢(ケチャップの様な便のこともあり)、継続する嘔吐、脱水、食欲廃絶(全く食べない)、虚脱(立つことが出来ない程ぐったりする)など

●原因

イヌパルボウイルスの感染

●検査

血液または便による抗体検査、血液検査

●治療

対症療法(脱水改善のための点滴治療、下痢、嘔吐を抑える治療など)
感染力が非常に強いウイルスなので、他の犬と隔離した状態で入院治療を行う必要がある

●アドバイス

子犬で下痢、嘔吐が見られた場合は、様子を見過ぎずに動物病院へ連絡をしましょう。
焦って病院へ向かう前に、必ず1本電話連絡してください。
万が一、イヌパルボウイルスに感染していた場合は、待合室にいる他のワンちゃんや入院している他のワンちゃんを危険にさらすことになります。
電話で病院からの指示を仰いでから受診してくださいね。
事前にわかっていた方が病院側も万全の体制で受け入れられるので、しっかりした治療が受けられますよ。
病院にもよりますが、便や吐いたものを捨ててしまわずに、別々に密閉出来る容器(ビニル袋など)にいれて持参されることをお勧めします。
診断のヒントになります。

■早期に治療しないと死に至る!恐ろしい急性膵炎(きゅうせいすいえん)

犬

最近、芸能人が膵炎の治療で休養!などというニュースを耳にすることが多くなったように思います。
ワンちゃんも膵臓(すいぞう)という臓器がありますから、もちろん膵炎という病気になることがあります。
中でも、早急に治療の必要があるのが「急性膵炎」です。
膵炎とは、何らかの原因で膵臓から分泌されるタンパク消化酵素が多くなり過ぎ、そのために自分の膵臓を自分で溶かしてしまう怖い病気です。

●症状

嘔吐、下痢(出血を伴うことも多い)、脱水、食欲廃絶、元気消失、腹痛(背中を盛り上げて猫背のような姿勢をとる状態がワンちゃんに腹痛があるサインです)

●原因

大量に脂肪を摂取した後に発症(人の脂っこい食べ物の誤食など)
糖尿病もとで膵炎を発症するケースも多い

●検査

血液検査(膵特異的リパーゼ、生化学検査)触診など

●治療

輸液。鎮痛剤や抗生剤、膵酵素剤の投与。
治療開始時は、膵臓から消化酵素が分泌されないよう絶食絶水からスタートし、絶対安静を保つ。その後下痢、嘔吐が改善してきたら、水飲→流動食→固形物と進んでいく。回復後も、膵炎が繰り返し起こらないように低脂肪食を与える必要がある。

●アドバイス

症状がで始める前にいつもと違うものを食べなかったか?ということが診断の上でとても重要です。
獣医さんに怒られるかもしれない…と黙っていては、ワンちゃんが手遅れになることもありますよ。
揚げ物など、少しだからと人の食べ物をあげてしまった!など、思い当たることがあれば、看護師さんや獣医さんに必ず報告してくださいね。
最近では、人間用の脂っこい食べ物以外にも、ワンちゃん用のジャーキータイプのおやつを食べ過ぎたことで急性膵炎になった子もいます。
何度も続く、下痢と嘔吐があったらすぐに動物病院に連絡してください。

■慢性的な下痢の原因は炎症性腸疾患!?

柴犬

食欲や元気はいつも通りなのに、食べると吐いたり、下痢をしたり…。
時には下痢のし過ぎで血便がでたり…
それは、難治性の腸の病気かもしれません。

●症状

慢性的な嘔吐・下痢、出血を伴う下痢、削痩(やせていくこと)、重症で食欲不振

●原因

はっきりとした原因は不明
免疫学的反応(アレルギーの一種)が関与すると言われている

●検査

内視鏡または開腹手術による腸粘膜の観察と病理検査、血液検査(白血球数、CRP)など

●治療

抗菌剤やステロイド剤の投与、免疫抑制剤の投与。
食物アレルギー用のフードに食事を切り替える

●アドバイス

この病気は、原因が複雑に絡み合っていることかが、完治は難しいとされています。
病気そのものを治すのではなく、出てきた症状を抑える治療を行います。
しばらく落ち着いていたからもう大丈夫かなと思った頃に再び症状がでることが多いようです。
ストレスがかかると症状がでやすいので、ストレスの少ない環境に置いてあげるなど、工夫が必要になってきます。

■下痢と良い便を繰り返す?消化器型悪性リンパ腫

シーズー

悪性リンパ腫と聞くと血液のガンというイメージが強く、下痢や嘔吐に直接結びつかないと思われる方も多いと思います。
しかし、消化器型といって主に腸管や腸間膜のリンパ節に発生するリンパ腫が5〜7%ほどあります。

●症状

下痢(良便と下痢を繰り返すことが多い)、嘔吐、食欲不振、体重減少、低タンパク血症など
炎症性腸疾患と類似した症状がみられる
検査超音波検査、内視鏡または開腹手術にて腸組織を採取し病理組織検査

●治療

化学療法(抗ガン剤治療)

●アドバイス

一般的なリンパ腫は化学療法によく反応するのに対して、残念ながら消化器型リンパ腫は反応が悪いです。
慢性的な下痢や嘔吐以外の、全身症状が出ないケースは、診断が困難で発見が遅れることも多いのが現状です。
治療をしても下痢や嘔吐が続く場合は、詳しい検査が行える動物病院に相談してみてくださいね。

■まとめ

いかがしたでしょうか?
血便がでた!ということは、ワンちゃんの体で何らかの異変が起こっています。
ストレスや不適切な食事が原因の一過性の症状であっても、あまり様子を見過ぎてからでは治るまでに時間がかかってしまいます。
早めに、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
便や吐いたものの状態は治療の参考になるので、あわてて捨ててしまわないようにしてくださいね。
どんな病気も、早期発見に越したことはありません。
言葉を話せないワンちゃんの異変にいち早く気がつき、大切なワンちゃんを守ってあげられるのは飼主さんだけなのですから…

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愛犬のために知ってほしいこと


「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」

「愛犬の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」

という飼い主さんはとても多いです。

動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかる場合があります。

動物病院で治療すれば助かった命が年に何件もあります。

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