鼻と口の症状

犬の鼻の色が薄くなるのはなぜ?ピンクに変わる原因は?病気なの?

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犬

「そういえば、犬の鼻の色が昔よりも薄くなっている気がする。年のせいかな?」

「真っ黒だった犬の鼻の色がまだらになってきたけど、もしかして病気なのかな?」

このような疑問はありませんか?
犬の鼻の色は同じ犬種でも多少の個人差はあるものですが、その色が変化してきたとしたら飼い主の方は心配になりますよね。
今回は、犬の鼻の色が薄く変化してきた場合、どんなことが原因と考えられるか、どんな場合には動物病院を受診した方がいいのかについて解説したいと思います。

犬の鼻について

獣医学的には鼻の先端のことを“鼻鏡”もしくは“鼻平面”と言い、鼻筋のことを“鼻梁”と言います。
鼻鏡には毛がなく冷たくしっとりと濡れていますが、これは鼻水ではなく鼻の腺細胞から分泌される液が鼻の表面を覆っているからになります。
この分泌液が臭いの成分を吸着するおかげで、犬は敏感に臭いを感じ取ることができるようになっています。
鼻鏡は毛色と同じように、同じ犬種でも犬によって個体差があり実に様々な色をしています。
スピッツやサモエドのように毛色が真っ白な犬でも鼻の色は黒という犬もいますし、真っ白なチワワで鼻の色は薄茶色という犬もいるため、「この犬種の鼻鏡がこんな色をしているなら異常だ」と判断することは難しいです。
しかし、もし「以前に比べ明らかに鼻の色が薄く変化してきた」のなら、①生理的な原因で鼻の色が変化した場合、②病的な原因で鼻の色が変化した場合が考えられます。
それぞれどんなものなのか、詳しく後述していきます。

生理的な原因で鼻の色が薄くなる場合

犬

生理的な原因で鼻の色が薄くなる場合に共通する症状としては、「昔の写真と見比べたら薄くなってきたことに気付いた(非常にゆっくりとした変化)」「鼻以外の黒いところ(眼や口の周り)はそのまま」「その他に特に症状はない」という点です。
なぜ鼻の色がだけが薄くなってしまうのかについては、「加齢によるもの」、「季節によるもの」が考えられていますが、実は医学的にはっきりとしたことは分かっていません。

加齢によるもの

加齢に伴いゆっくりと犬の鼻の色が薄くなってくることがあります。
年をとることでメラニン色素を作り出す働きが不足していることなどが原因として考えられています。

季節によるもの(ウィンターノーズ、スノーノーズ)

日照時間が短く紫外線を浴びる時間の少ない冬になると、鼻の色が一時的に薄くなることがあり、ウィンターノーズやスノーノーズなどと呼ばれています。

病的な原因で鼻の色が薄くなる場合

鼻の色が薄くなる病気とはどんなものなのでしょうか?
具体的な病名とその原因、症状、治療法について解説していきます。

ぶどう膜皮膚症候群(フォークト・小柳・原田病)

原因

犬のぶどう膜皮膚症候群とは、“メラノサイト”と呼ばれる黒い色素細胞に対する自己免疫疾患です。
簡単に言い換えると、自分のメラノサイトを異物と誤認識して排除しようとする免疫の病気になります。
ヒトの“フォークト小柳原田病”と同様の病気で、遺伝的な要因が関連していると考えられおり、秋田犬が好発犬種とされていますが様々な犬種に認められます。

症状

この病気の特徴は「眼と皮膚に異常を認める」病気であるというところにありますが、皮膚の症状よりも先に眼の異常を認めて受診されることが多いです。
眼の中には黒い瞳(虹彩)があるのがお分かりだと思いますが、ここには沢山のメラノサイトがあります。
虹彩の他にも、毛様体、脈絡膜にもメラノサイトが集まっており、その見た目が「ぶどうの皮」のようであることから、“ぶどう膜”と総称されます。
このぶどう膜に強い炎症が起こることをぶどう膜炎といい、ぶどう膜炎になると目に強い痛みが表れ、眼をショボショボさせたり、白目が赤くなったり、涙が増えたり、まばたきが増えたりします。
そして、眼の症状に引き続き顔面の色素脱を認めるようになります。
具体的には、鼻鏡や眼の周り、口の周り、肉球や肛門などに表れます。

治療

自己免疫の異常による病気であるため、高用量でステロイドの全身投与を開始するのが基本になります。
ステロイドの投与で副作用が強く表れる、もしくはステロイドだけでは上手くコントロールができない場合は、シクロスポリンなどのその他の免疫抑制剤の投与を検討します。
また眼に関してはぶどう膜炎の悪化から、網膜剥離や緑内障などの合併症を引き起こすことも多いため、失明しないように病状に応じた点眼薬の処方も大切です。

皮膚エリテマトーデス(円板状エリテマトーデス)

犬

エリテマトーデスとは、ぶどう膜皮膚症候群と同様に自己免疫が関連する病気で、全身臓器を侵す全身性エリテマトーデス(SLE)と、皮膚のみに症状が限定する皮膚型エリテマトーデスに分類されます。
なお、皮膚型エリテマトーデスは円板状エリテマトーデスとも呼ばれています。

原因

シェットランドシープドッグやコリーといった犬種での報告が多いため、遺伝的な要因が関連していると考えられています。
また紫外線の曝露が皮膚エリテマトーデスの発症の引き金になるということが知られています。

症状

急性期では、黒い色素が抜け落ちる色素脱、皮膚の赤み(紅斑)やフケなどが見られ、慢性期になると皮膚の潰瘍やびらん、カサブタなどが見られるようになります。
病変が見られるのは紫外線の当たりやすい鼻(鼻鏡や鼻梁)や、耳や眼の周りが多いですが、肉球や肛門周囲などその他の部位にも確認されることがあります。

治療

できるだけ紫外線に当たらないようにするか、日焼け止めを定期的に塗布します。
この処置で改善が見られない場合は、高用量のステロイドの内服や免疫抑制剤の含有した外用薬の塗布といった投薬が必要になります。
また補助的に必須脂肪酸やビタミンEなどの補給を行うこともあります。

さいごに

ぶどう膜皮膚症候群も皮膚エリテマトーデスも、実はしょっちゅうお見かけするような病気ではありません。
筆者が今までに見た病的な鼻の色が抜ける病気のワンちゃん2頭に共通していた症状としては、「鼻の色だけでなく、眼や口などの他の黒い色素も抜けてきている」「色の抜け方が黒い布に漂白剤を垂らしたかのようにまだら」でした。
その後、2頭のワンちゃんは病気の治療を開始してすぐに黒い色素が復活していたのが印象的でした。
それに対して、生理的な原因で鼻の色が薄くなる場合は、ジーンズの色落ちのように鼻の先端部から少しずつ変化していくように感じます。
もしこの記事を読んでご自身の飼っているワンちゃんの鼻の色の薄くなり方に違和感を感じられたら、ぜひ動物病院を受診するようにしましょう。





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