便は体の調子を示すバロメーターと言われています。便がいつもと違う場合は、大抵、何か不調がある時と言えます。
便の異常の中でも、今回は粘液状・ゼリー状の便をした時に考えられる病気ついてまとめてみました。
■粘液の正体はなに?
便と共に出てきた粘液状のものは、大腸の分泌液です。
便がスムーズに排泄されるように分泌されているもので、これ自体は悪いものではありません。
大抵は便と粘液が適度に混ざった状態で一緒にでてくるので目立ちませんが、便の量や硬さがいつもと異なる場合や、分泌物の量が増えた時に目につくようになります。
■分泌性大腸炎
まずは分泌性大腸炎について解説します。
◇原因
食べた物が小腸でじゅうぶんに消化されないまま大腸に流れこんだり、ストレスなどいつもより強い刺激が大腸に加わり、大腸内の分泌液の量が増えることが原因と言われています。
・便が下痢ではない
・犬が元気
・粘液・ゼリー状のものが少量
こうした場合はあまり心配はいりません。
・大腸内の分泌液がいつもより多く分泌された
・柔らかめの便が分泌物の助けなしでスルリと先に排泄された
・慣れないフードを食べて胃腸に刺激があった
・ストレスがかかった
このようなことが原因で粘液状、ゼリー状のものが排泄されたと考えられます。
一過性で、血が混じったり、発熱など他の症状がない場合は心配しなくても大丈夫です。様子をみてください。
◇対処法
安静にし、水分をしっかりとらせてください。フードを切り替えたり、新しいおやつを試した時は、それを控えるようにしましょう。
激しい運動も避け、興奮させないようにしてください。
なお、腹持ちがいい、整腸作用がある、という理由で食物繊維が多い野菜類を与える方もいますが、粘液状やゼリー状の便が出ている時は控えておきましょう。
腸に与える刺激が負担になることが考えられます。
■子犬の場合
子犬の場合、成長期に合わせてフードを切り替えていきます。この切り替えの時に粘液状やゼリー状の便が見られることがあります。
・フードを噛めていない
・フードを消化できていない
・タンパク質や脂肪が合っていない
こうしたことが原因と考えられます。
フードの粒を小さくしたり、柔らかくしたりして胃腸に負担をかけないようにしたいのですが、咀嚼の練習、固形物に慣らす、といった訓練も必要なので、フードに手を加えすぎるのも問題です。
また、頻繁にフードを切り替えることも負担になりますので、バランスをとるのが難しいですが様子を見ながら工夫してください。
なお、一部のタンパク質にアレルギー反応を起こす子犬もいます。便の変化以外に口元や目元の粘膜が赤くなるなどアレルギー反応がみられた場合は動物病院で血液検査を受けてアレルギー源の特定を行ってください。
◇ジアルジア症
粘液状の便といっても、水っぽい便、粘液性の下痢、白や黄色っぽい脂肪便(脂肪が分解できず、そのまま便に出ている状態)の場合は寄生虫ジアルジアが腸に寄生している可能性があります。
ジアルジア症の場合は、他の寄生虫も腸の中にいる可能性があります。複数の寄生虫に寄生され、その数が増えていくと命の危険もあります。
上記のような便が続く、食欲があるのに体重が減っていく、といった場合は寄生虫の検査を受けてください。特別な駆虫薬が必要なので、必ず獣医師に相談してください。
■注意したいシニア犬のケース
年齢を重ねてくると犬も胃腸が弱くなってきます。
・歯が抜ける
・噛む力が低下する
・消化液の分泌量が減る
・消化能力が低下する
・胃の蠕動運動が弱くなる
・腸の動きが鈍る
こうした理由で食べ物と消化液がうまく混ざらず、未消化の状態のものが小腸や大腸へ流れ込むことがあります。
また、介護が必要なシニア犬の場合は体を動かさないことが多く、内臓機能も低下している可能性があります。
腸内分泌液と便がうまく連動せず、便の状態が変わることはよくありますので、シニア犬の場合は毎日の観察が欠かせません。
未消化のものによる刺激が続いたり、腸壁が何度も傷付けられたりすると、ウイルスや細菌に感染しやすくなり、また、腫瘍の原因になります。
粘液状、ゼリー状の便がみられた場合は食事の内容を見直したり、無理のない範囲で運動するといった工夫をしてください。
便の異常が続く場合は、腸内に腫瘍ができている可能性もありますので、動物病院でみてもらってくださいね。
◇シニア向け低脂肪フード
炭水化物、タンパク質、脂肪は三大栄養素といわれています。犬にとってもっとも大切なタンパク質は分解に時間がかかるため、シニア犬の場合は消化しやすい良質のものを選んであげてください。
また、脂肪はもっとも分解し辛いもので、腸に負担がかかります。活動量も減ってくるので低脂肪のフードがお勧めです。ドッグフードの中でも良質のタンパク質、低脂肪のもので愛犬に合うものを探してみてください。
噛む力が弱かったり、歯周病など口腔トラブルを抱えている場合はドライフードを水でふやかしたり、レトルトや缶詰などのウェットタイプのフードを加えて柔らかくし、嗜好性を高めて食べさせてあげてください。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
分泌性大腸炎と聞くとビックリするかもしれませんが、大腸でいつもと違う状況が起こっている、と考えてください。
人でもストレスや、冷たいもの、食べ慣れない物などを食べて腸に負担をかけてしまうことがありますよね。そうした場合は自然に治ることがほとんどです。犬も同じようなことがあると思っていてください。
しかし症状が継続する、混ざる血の量が増える、思い当たる原因がない、といった場合は動物病院でみてもらってください。その時、粘液状、ゼリー状の便を持参するとよいですよ。
健康のバロメーターと言われる便を観察し、日々の愛犬の健康管理に役立ててください。
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