ゼリー状、粘着状のうんちが出る 血便が出る

犬が粘液状・ゼリー状の血便をする原因と考えられる病気

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犬

愛犬が血の混じった便をするとビックリしますよね。
しかも粘液状だったり、ゼリー状のものが一緒だとなおさらです。
とはいえ、あまり心配しなくてもよいケースもあります。
症状別にまとめてみました。

■粘液状の便、ゼリー状の便で血の量が少ない

・血が少量
・血が赤やピンク
・便が下痢ではない
・犬が元気

この場合はあまり心配はいりません。
血便の中でも血が赤やピンクの場合は、便が外へ出る少し前に付いた血だと考えられます。大腸、直腸、肛門などで出血し、便について「血便に見えた」というケースがよくあります。

大腸の表面は新陳代謝により、毎日、剥がれて新しいものになっています。この新陳代謝と違うタイミングで、腸に刺激が加わって腸壁が剥がれ落ち、出血することがあります。

また、便が頻繁に通過した、未消化のままの食べ物が腸壁を傷付けた、硬くなった便が直腸や肛門を傷付けたなど、腸が傷付く要因は色々あります。

血の量が少量で、一時的な場合は様子をみても大丈夫です。安静にする、ストレスが掛からないようにする、フードを少し柔らかくしてみるなど工夫してみてください。

なお、このような便が出ている時は、脂肪分や繊維質の多いフードは控えた方がよいでしょう。できるだけ腸を刺激しない方がよいと考えられます。

ただし、症状が続く場合は必ず動物病院でみてもらうようにしましょう。
腫瘍などの可能性もありますし、腸壁が傷付いている時間が長くなると感染症にかかるリスクが高まります。慢性化すると一生治らない、というケースもありますから放置しないようにしてください。

■ 粘液状の便、ゼリー状の便で血の量が多い

シーズー

・血が赤い
・血が全体についている
・血が便の中にも混ざりこんでいる
・便は下痢ではない
・犬が元気
・いつもと変わった様子がない

小腸で出血している場合は便の中にも血が混ざり込みます。
大腸や直腸、肛門付近での出血の場合は便の表面にだけ血が付いています。

いずれにせよ、下痢でなく、血便が一過性のものの場合は緊急を要することはありませんが、注意して様子をみてください。原因は上記の「出血が少ないケース」と同じことが考えられますが、血の量が多い場合は、血便以外の症状が続く可能性があります。

血便が続く、血液の量が増える、下痢になる、硬い便になる、食欲不振、元気喪失などの症状が出た場合は、腸内での炎症が進行している可能性があります。次のような病気の可能性がありますので、動物病院へ行ってくださいね。

◇便秘

排便しにくい、硬い便に血が付く、食欲がおちてくる。
こうした症状が現れる場合は、便秘が考えられ、肛門付近を傷付けて出血したりします。酷い場合ではヘルニアを起こす危険もあります。水分摂取、運動不足に注意してください。また、カルシウム過多(骨などのおやつが多過ぎていないか)も注意してくださいね。

なお、オスの場合は前立腺肥大で腸が刺激されている場合もあります。シニア犬で細い便がダラダラと続く、便秘気味といった症状が続く場合は動物病院でみてもらってください。

◇腸閉塞や腸重積

ヨークシャーテリア

異物や骨の欠片などを飲み込んだ時、腸の壁が傷付けられ、出血して便に血が付くことがあります。

血便以外に、食欲不振、元気喪失、お腹が膨れる、腹痛、といった症状が出て来た場合、異物が腸に詰まる腸閉塞の危険があります。

壊れたオモチャがないか、散歩途中で拾い食いしなかったか、木の枝など口にいれなかったかなど、異物を飲み込んだ可能性がないか、考えてください。

異物が小さくて便と一緒に排泄されればいいのですが、詰まってしまうと腸閉塞になってしまいます。

また、異物による刺激が続くと腸が腸の中へ入り込んでしまう(服を脱いだ時に袖が内側へ入り込むような状態になっている)腸重積になる危険もあります。この場合、放置すると重なった部分の腸細胞に血液が行き渡らず、壊死する危険があります。

腸閉塞も腸重積も緊急手術が必要になるケースがあり、命の危険に晒されることがあるので注意してください。

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◇寄生虫が腸の中にいる

可能性が大きいのは「鞭虫症」です。鞭虫の数が少ないうちは、軟便、血便がときどき出ます。

鞭虫の数が増えると、鮮血便、下痢、腹痛、食欲不振、貧血といった症状が出てきます。
駆虫薬で治療できます。

なお、出血が激しい、粘液が付着したタール状の便の場合は「鉤虫」の可能性があります。子犬に多くみられ、重症化すると死亡することもあります。

鉤虫は、鉤のような口を小腸の壁に食い込ませて血を吸います。これにより、出血、腸炎、貧血が起こります。

駆虫薬で治療できますが、輸血が必要なほど重症化するケースもあるので注意が必要です。

■まとめ

いかがでしたでしょうか?
ときどき少量の赤い血が混ざるくらいであれば問題ありませんが、これが病気の始まりであることもあります。

繰り返すうちに飼い主が「またか」「すぐ治るよ」と慣れてしまわないように注意してください。この「慣れ」が重要な病気のサインを見逃す原因になることがあります。

できれば便の状態はこまめにメモし、血便、軟便が続くようなら動物病院で見てもらうようにしましょう。

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