便は健康状態を示すバロメーターであり、便の色や状態は病気の診断に有効な情報です。
愛犬が下痢をしたらすぐに処理するのが基本ですが、捨てる前に写真を撮るなどして状態や色を記録するようにしてください。
今回は色別にどんな病気が疑われるのかまとめてみました。いずれのケースも至急、動物病院で診察を受け、治療してもらう必要があります。
目次
■下痢が透明、水様性の場合
原因として、次のような病気が考えられます。
○鞭虫やコクシジウムなど寄生虫
○コロナウイルス感染症
○大腸炎
寄生虫は数が少なければほとんど症状が出ませんが、放置すると体内でどんどん数が増え、腸内を傷付けたり栄養を奪い取っていきます。
貧血や栄養不良、発熱などの明らかな症状が出た時には、輸血や輸液処理などが必要だったり、完治するまで長期間を要することがあります。
子犬の頃から定期的に寄生虫の検査をし、予防したり駆虫することが大切です。
コロナウイルス感染症はウイルス感染が原因で、非常に伝搬力が強く、激しい嘔吐や下痢の症状が出ます。
病気を治療する薬はなく、保温・脱水症状を防ぐ・整腸剤を飲ませるなどの対処療法しかできません。
子犬など、体力のない犬は致死率が非常に高い病気ですので、ワクチンを接種して予防することが大切です。
大腸炎はストレス、寄生虫、ウイルス感染などで大腸がダメージをうけ、粘液などの分泌物が過剰になったり、水分吸収機能がうまく働かず、下痢を引き起こす状態の総称ともいえます。慢性化しやすいので、早期に原因を突き止め、根本治療を行う必要があります。
■下痢が赤い場合(血便)
原因として、次のような病気が考えられます。
○鞭虫やコクシジウムなど寄生虫
○大腸炎
○出血性胃腸炎
上記の「下痢が水様性」のケースが更に症状が進行した状態といえます。腸などから出血が増え、便が赤くなります。
血が赤いということは、比較的、肛門に近い場所で出血している可能性が高いと考えられます。寄生虫、ウイルスや細菌感染によって小腸や大腸の腸壁が傷付き、出血するために下痢便が赤くなります。
「下痢が水様性」の時と同様に、対処療法を行いながら、原因を突き止め、根本治療を目指します。
■下痢に多量の出血が混ざる、タール状の下痢が出る場合
○鉤虫症
犬十二指腸虫症とも言います。鉤虫という寄生虫が原因です。
一歳未満の子犬に多く見られ、タール状の下痢便、貧血が一般的な症状です。
鉤のような口で小腸の壁に食い付いて血を吸うため、貧血や腸炎を起こし、便がタール状になります。軽症であれば駆虫薬の服用や注射で治りますが、重症化すると輸血も必要になります。
栄養不良に陥り易いため、駆虫薬などで治療しながら栄養補給を行ったり、高栄養価の食事をとるなど、食事療法が必要になります。
早期に発見して治療しなければ、傷付いた腸粘膜からウイルスや細菌に感染するリスクが高まり、他の感染症で命の危険にさらされる可能性があるので注意が必要です。
■下痢が緑色、悪臭のあるトマトジュース状の便
○パルボウイルス感染症
腸粘膜がひどくただれる消化器型、急性心不全で突然死する心筋炎型の2種類の症状がありますが、ほとんどが消化器型です。
激しい嘔吐と、特徴的な色の下痢(緑色、血が混じったトマトジュース状の下痢)を繰り返します。
パルボウイルスが原因で、ウイルスに効く薬はありません。
嘔吐を止めるために絶食させ、脱水症状を抑えるための輸液治療などを行いますが、回復するかどうかは、犬の体力次第です。体力のない子犬の場合、1~2日で死亡するケースが非常に多い病気です。
一頭感染すると一緒に暮らしている兄弟犬全てが感染していると言えるほど感染力が強く、ペットショップでは非常に恐れられている病気です。
ワクチン接種で予防できる病気なので、子犬の頃は生後2か月頃からワクチンを接種するのが一般的です。
■下痢が黒、チョコレート色の場合
○急性胃腸炎
血液は赤色をしています。しかし胃やその手前で出血して胃液などの消化液と混ざると血は黒く変色します。これが小腸や大腸を通って便に交るので、便が黒やチョコレート色になります。
急性胃腸炎では、嘔吐や腹痛、下痢の症状がみられます。
飲み込んだ硬いもの(食べ物であったり、木、オモチャの破片、ゴミなど)が胃を傷付けたり、毒物によって胃が傷付けられて出血することが原因です。
とにかく、原因がなにか突き止めるのが大切です。異物を飲み込んだことが原因であれば、吐き出させたり、鉗子などを使って取り除いたり、開腹手術で除いたりします。毒物が原因であれば解毒剤を飲ませます。
■まとめ
下痢の色によって代表的な病気と治療法を列挙しましたがいかがでしょうか。ほとんどが嘔吐など他の症状を伴うものです。
急激に症状が進行するものもあるので、下痢の症状がみられたらまず、動物病院でみてもらうことが大切です。
確かにストレスや食べ過ぎ、フード切り替え時期などに下痢をするケースは多く、飼い主が慣れてしまっている場合もありますが、色が違う下痢は緊急を要するケースがほとんどなので注意してください。
便の処理が苦手な方もいると思いますが、愛犬の健康のため、治療のためですので、飼い主の責務と思って記録を取り、獣医師に適切に症状を伝えてくださいね。
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⇒犬の下痢が続く原因の病気5選!嘔吐や血便もある場合はウイルスの可能性も
⇒犬の下痢!便に血が混じる!ゆるい!考えられる原因と病気とは
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