尿(おしっこ)がおかしい 血尿をする

犬が頻尿で血尿が出る!原因と考えられる病気とは

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■犬が頻尿で血尿が出る原因とは

ワンちゃんが何回も何回もおしっこしようとする、やっと出たと思ったら血尿だった…ともなると心配ですよね。
頻尿で血尿の症状が出る病気でワンちゃんに多いのが「尿路結石症」です。
今回はこの尿路結石症について詳しくお話ししたいと思います。

■尿路結石症とは?

腎臓・尿管・膀胱・尿道の4箇所をまとめて“尿路”と言います。
尿路のどこかに結石ができた状態が「尿路結石症」という病気です。
ワンちゃんの尿路にできる結石の成分は多種多様。
結石形成の原因には膀胱炎などの尿を感染症が強く関わっていることもよく知られています。
結石ができても悪さをしなければそれほど急を要する疾患ではありませんが、
「尿路に出来た結石が粘膜を傷つけるなど物理的な刺激によって尿路炎症を起こす」、「尿管や尿道に結石が完全に詰まり尿を出せなくなり、膀胱破裂や腎不全といった命に関わる病態を起こす」など進行するとやっかいな疾患です。

■症状のお話し

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尿路のどこに結石ができているかによって現れる症状はさまざまです。
尿管や尿道などに結石が発生すると、痛みが強く現れます。
背中を丸め、お腹に力を入れてじっとして、触ったり抱き上げようとすると鳴き叫び嫌がるのが、結石があって痛みが強い時のワンちゃん達の症状です。
膀胱の中の結石は、結石が膀胱粘膜を刺激し粘膜に炎症が起きるので頻尿・血尿が起こります。
また、炎症部分に細菌が感染し、膀胱炎も併発します。
尿道の粘膜にも炎症が起こると尿道炎も発生します。
この膀胱炎と尿道炎が元になって、発熱・食欲不振・元気消失などの症状も出ます。

■尿路結石症の原因と結石の種類

尿路結石は、食事や飲み水などに含まれる「カルシウム」「マグネシウム」「リン」「尿酸」「ケイ酸」などのミネラル分が、尿中タンパク質など尿中の成分と結合して作られます。
これらが成分とタンパク質が合わさったものがまずは結晶化し、その結晶同士がくっついて石のように硬い塊になると結石になります。
結石を構成しているミネラル成分は犬種、食事の種類、水の成分などによって異なります。
尿路結石が形成される原因については、いまだ不明な点も多いのですが、主に関係してるとされる4つについてご説明します。

① 細菌性膀胱炎などの尿路感染症が先に起こり、それが原因でできる結石があります。

特に犬の尿路結石の約6〜7割を占める「ストルバイト」という結石の形成には、細菌が関与しています。
尿路の炎症を抑えようと戦った細胞の死骸が尿中に落ちます。
その細胞の死骸が核となって結晶を作り、結晶がくっついて結石として発大きくなると言われています。

② 濃いおしっこも結石の原因になります。

水を飲む量が減る→おしっこの量や回数が減る→おしっこが濃くなる、膀胱に溜めている時間が長くなる→尿中のミネラルやタンパクが結びつきやすくなる→結石の元になる結晶ができやすい→結石形成 ということです。
水を飲む量またはフードに含まれる水分量が少ないと、結石ができやすくなると言えます。
運動不足になりやすい冬は特に飲水量が減るので結石のリスクが高まります。
おしっこを長時間我慢し、膀胱に溜めておくことが多い子も結石ができやすいと言えます。

③食事が原因の場合も多いです。

マグネシウム、カルシウム、リン酸などが多く含まれる食事をたくさん与えると、尿中に排泄されるそれらの成分が増え、結晶ができやすくなります。
しかし、同じお家のワンちゃんで同じフードを食べていても結石のできる子とできない子がいるので、体質も大きく関わっているようです。

④尿路以外の別な疾患が原因

先天的な門脈体循環シャントや慢性の肝障害があると血中のアンモニア濃度が高くなるので結果として、尿酸塩結石が生じやすくなります。
また上皮小体ホルモンの過剰分泌によってリン酸カルシウム結石が形成されやすくなるとも言われています。

ワンちゃんに多い尿結石

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 ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
 シュウ酸カルシウム
 リン酸カルシウム
 尿酸
 シスチン
 シリカ

■尿路結石症の診断と治療

ここでは尿路結石症の診断と治療について解説します。

《診断・検査》

尿路結石があると尿中に結晶成分が出てくることが多いので、まずは尿検査をします。
自宅で尿検査をすることも可能です。
詳しくはこちらをどうぞ。
犬の尿検査!自宅でのやり方やphの正常値や比重など解説

また結石はレントゲン・超音波検査でも見ることができますので、大きさや場所を特定するため、それらの検査も行います。

《治療》

結石の場所、大きさによって治療も異なってきます。

◆手術◆

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膀胱結石・尿道結石は手術で取り除く場合が多いです。
特に尿道に結石が詰まった場合はおしっこが出なくなりますから、緊急処置が必要です。(完全におしっこが出なくなると1日で死亡する可能性があります。)
膀胱の中の結石は、サイズや結石の種類によって手術するかどうか判断されます。
腎結石は悪さをしていなければ、手術をせずそのまま経過観察とされる場合が多いようです。
膀胱や尿道を切開して結石を取り出す大手術ですから、しばらくの入院が必要になります。

◆食事管理◆

食事中の成分自体や、食事のpHが結石の要因ですので、専用の食事を食べさせてもらいます。
動物病院からもらう「療法食」と呼ばれるフードを食べることで、結晶ができにくく、さらに、結石を徐々に溶かすということができます。
ただし、結石の種類によっては溶けないものもあるため、新たに結晶ができないようにという目的でフードを食べてもらうことも多いです。
市販のフードにも尿路ケアとうたっているものがありますが、療法食はそれよりも確実な効果があります。必ず動物病院から処方されたものを与えてください。
また、結石の種類によっては、結石用の療法食でも返って結石ができやすくするフードもあります。
飼い主さんの自己判断でフードを購入しないように注意してください。

◆投薬◆

細菌感染を抑えるためお薬を飲ませてもらうこともあります。

◆水を変える◆

手術をしてもフードを変えても再び発生する結石の原因がミネラルウォーターだった!ということがあります。
ワンちゃんのためを思ってお金をかけて買っていた“水”が原因となっており、飲み水を水道水に変えてもらったら、症状が落ち着いたということが以前ありました。
尿路結石があるワンちゃんには、ミネラル分が多いミネラルウォーターよりも普通の水道水がおすすめです。

■まとめ

いかがでしたでしょうか?
尿路結石の発生メカニズムは解明されていないことがまだまだ多く、これをすれば絶対治る!という治療法が確立されていない病気です。
しかし、結石になる前の結晶の状態で治療すれば結石はできません。
尿路結石ができてしまい、体に悪影響を及ぼす前に、定期的な健康診断などを受けて、結晶の状態で早期に発見できるようにしたいものですね。
頻尿や血尿は状態がひどくなると出てくる症状です。
まずは簡単な尿検査など定期的な健康診断を受けてみることをお勧めします。

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