ある日、突然、犬の耳にイボができた。
日増しに大きくなってくる。不安に思っていたら、友人に「勝手に取れるから心配ないよ」と言われた。
そんな経験がある愛犬家がいると聞きます。
犬の皮膚のイボは珍しいことではありませんが、そもそも、どうしてできるのでしょうか?イボができる原因や病気についてまとめてみました。
目次
■犬の皮膚にできたイボは見た目で大丈夫か危険かわかる?
イボができている時、何らかの異常が皮膚で起こっています。これがウイルスなどの病気によるものか、細胞分裂の異常などによるものか、見た目で判断することはできません。
有名なのは「イボ」「しこり」「腫瘍」といわれるガンを含む皮膚の異常には「良性」と「悪性」がある、ということです。
よく「赤やピンクのイボは大丈夫!」と言われていますが、残念ながらイボが「良性」か「悪性」か見た目で判断することはできません。
イボなど皮膚の異常に気付いたら、そのサイズや色、状態をメモしたり写真を撮って記録しておいてください。こうした経過観察をして動物病院に行き、「大きさや色が変わらない」「一週間で1.5倍のサイズになった」など、様子を話して検査を受けてください。
診断と治療が遅れると、短期間で命に関わることもあります。必ず獣医師の診断を受けてくださいね。
■良性の場合
◇イヌパピローマウイルスによるイボ
パピローマウイルスはイボができる病気として有名です。
犬の場合は「イヌパピローマウイルス」に感染することにより、イボができます。1歳くらいのオス犬の口の中にできることが多く、頭、足などにもできます。
放置していても治りますが、他の犬にも感染が広がりますし、まれに悪性の扁平上皮癌に進行するケースもありますので、注意が必要です。
なお、ヒトのイボの原因になる「ヒトパピローマウイルス」とは別物です。イヌからヒト、ヒトからイヌへ種族を超えて感染することはありません。
■悪性の場合
◇扁平上皮癌
皮膚病と区別が付きにくい、やっかいな癌です。
鼻の先端、爪の根元、唇などに、イボ、かさぶた、カリフラワー状のできものなどができます。
口にできた腫瘍は出血し易く、オモチャを咥えたり、食事の時に血が出ているのを見て飼い主が気付くケースが多くあります。肺に転移することがあるので注意が必要です。
◇肥満細胞腫
ボクサーやボストンテリアに多い悪性の腫瘍です。皮膚病だと思って治療を続けていたら、この病気だった、というケースも少なくありません。転移する可能性が高い危険な病気です。
赤くふくれたしこり、皮膚の表面が壊死しているような状態、筋肉のかたまりに見える、など症状は色々で、皮膚病と間違えやすいとも言われています。
治療が遅れると「胃潰瘍」を起こし、嘔吐したり吐血することもあります。
◇腺癌
皮脂腺の細胞が腫瘍化するもので、耳の中、まぶた、指の間、肛門周辺にできます。悪性・良性、両方ありますが、急激にサイズが大きくなるものは悪性であることが多いと言われています。
◇肛門周囲腺癌
7歳以上のシニア犬(オス)に多く見られる癌です。肛門周囲腺は臭いを出すための腺で、ここに丸くて硬い塊ができます。それが皮膚を突き破って破裂することもあり、おしりを頻繁に舐めるなどの行動が見られます。
こうした腫瘍・ガンが挙げられますが、良性・悪性ともに似たような症状で、詳しい検査を行わなければ判断ができません。
イボ、コリコリとしたしこり、コブができている、表面がただれている、キノコのように盛り上がるなど色々な異常が皮膚に現れます。
状態をよく観察し、早めに獣医師の診断を受けましょう。早期発見でレーザー治療、切除手術で治療できれば悪性であっても転移する危険が低く、一度で治療が終わります。
全身に広がって切除ができなくなってしまうと、抗がん剤治療、放射線治療など、定期的な長期間に及ぶ治療を続けていくことになり、愛犬にも飼い主にも負担が大きくなります。
■ まとめ
いかがでしたでしょうか?
ただのイボは放置しておけば勝手に治る。取ってしまえばいい、と安易に考えがちですが放置しておくと悪性の癌になり、治療が難しくなったり命に関わる事態になるケースもあります。
また、犬のイボが人に感染する、といったようなことが言われることがありますが、そうしたことはありません。
正しい知識を持ち、勝手な判断をせずに動物病院で検査を受けて適切な治療を受けるようにしてくださいね。
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