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■犬の尿の回数や量が多い!
犬も人と同じように尿や便が健康のバロメーターになると言われています。尿の回数が多かったり、回数が多いというのは病気のサインであるケースが多くあります。
今回は、犬の尿の回数や量が多い時に考えられる病気についてまとめてみました。
■回数や量が多い場合は尿路系の感染症の可能性あり
腎臓、膀胱、尿道など、尿を作る器官のどこかに細菌感染をおこした場合、水を飲む量が増えたり、尿の量や回数が増えることがあります。
細菌感染でおこる病気の代表的なものは次のようなものです。
【膀胱炎】
◇症状
食欲不振、元気がない、発熱といった症状に加え、水をたくさん飲み、尿の回数が増えます。
ただし、出る尿の量は少なく、痛みをともなうケースもあって大声で鳴くこともあります。
出た尿には「色が濃い」「濁っている」「血尿」という特徴があります。
◇原因
ほとんどが細菌やウイルスに感染することで腎臓に炎症が起きます。
結石が原因のこともあります。メスはオスよりも尿道が短く、細菌が侵入しやすいため膀胱炎になりやすく、慢性化しやすいと言われています。
◇治療
尿検査を行って使用する薬を選び、効果が一番期待できる抗菌剤や抗生物質を使って炎症を鎮めます。
【腎盂腎炎】
◇症状
水を多く飲むようになり、大量の尿をします。尿は濁っていて、においが強くなります。
大量の尿をした後、残尿感があって排尿の姿勢を何度もとりますが尿は出ない、という特徴があります。
◇原因
細菌感染が原因です。膀胱炎などを発症した後、その細菌が腎臓の内部「腎盂」まで到達することで発症するケースが多いと言われています。
◇治療
ほとんどが膀胱炎も発症しているので両方を治療します。
抗生物質を使って細菌を殺します。
治ったかな?と思っても再発する確率が高いので、完治するまで薬を飲むようにします。
【急性腎不全】
◇症状
腎臓の機能が急激に低下し、老廃物や毒素が体内に溜まります。このため、食欲不振や嘔吐するケースがあります。
また、尿が少ない期間、多い期間、普通に戻る期間があり、尿の量が短期間に変動します。
ただ、数時間で急速に症状が悪化するケースもあり、そうなると下痢、脱水、けいれん、昏睡状態に陥るといった死に至る症状が出ることもあります。
◇原因
腎臓にウイルスや細菌が侵入して炎症を起こしたケース、毒性のあるものが腎臓に溜まったケース、血行障害、尿路結石など、原因はいろいろです。
◇治療
まず、輸液を行って尿の量を増やしたり、薬を併用して体外に毒素や老廃物を出すようにします。
ウイルスや細菌に感染している場合は抗生物質などを使って炎症を抑えるようにします。また、尿路結石の場合は結石を取り除く手術も行います。
原因に合わせた治療を行った後、腎臓に負担をかけない食事に切り替え、タンパク質や塩分を制限していくようにします。
■犬の尿の量が多いのはホルモンの異常が原因の場合がある
続いてホルモン異常が原因で犬の尿の量が多い場合について解説します。
【糖尿病】
◇症状
尿の量や回数が多くなるのが特徴です。
また水を多く飲むようにもなります。
避妊していない雌の場合、黄体期に太る傾向があります。
◇原因
肥満や遺伝的体質や膵臓の炎症やホルモン異常やストレスや薬などによって、膵臓から分泌されるインスリンが不足します。
そして食事で取り込んだ糖をエネルギー源として利用することができなくなるのが原因です。
糖尿病は約6割が未避妊のメスの黄体期に発症すると言われています。
メスの方がより注意するべき病気でしょう。
糖尿病は尿検査で早期に発見できる場合があります。
詳しくはこちらからどうぞ。
⇒犬の尿検査!自宅でのやり方やphの正常値や比重など解説
◇治療
糖尿病はまずは食餌療法が重要になってきます。
低脂肪、高繊維、高タンパク質を意識して食べさせることが大切です。
肥満の犬は、体重コントロールを心がけましょう。
また未避妊のメスの場合、避妊することも糖尿病治療には大切になります。
進行が進むと人間と同様にインスリンを打つようになります。
インスリンを始めると一生涯のおつき合いになるので覚悟しておきましょう。
【クッシング症候群】(副腎皮質機能亢進症)
◇症状
水を多く飲んだり、排尿の回数や量が多くなったり、左右対称の脱毛、食べ過ぎる、元気がなくなる、皮膚が薄くなったり色素が沈着したり、お腹が膨れるといった症状が現れます。
糖尿病と似た症状になるので間違う事も多いです。
甲状腺機能低下症や糖尿病を併発する可能性もあります。
◇原因
副腎皮質ホルモンの分泌が過剰になることが原因です。ガンやアレルギー治療のために副腎皮質ホルモンを大量に投与したとき、副腎の腫瘍、脳下垂体の腫瘍が原因になることもあります。
プードルやテリア系に多い病気と言われています。
◇治療
発症した場合、一生、副腎皮質ホルモンの働きを弱める薬を投与しなければなりません。
治療のために副腎皮質ホルモンを投与している場合は投与量を減らします。場合によっては副腎を手術で切除したり、下垂体切除をすることもあります。
糖尿病と同様に一生涯のお付き合いになる病気とえます。
【尿崩症】
◇症状
水を多く飲み、薄い尿をし、排尿が増える傾向があります。
◇原因
脳下垂体から分泌されるホルモン(尿の量を調整するホルモン)の分泌異常によっておこります。
遺伝的な欠陥があって生まれつきこのホルモンを作り出せない犬もいます。
また、利尿薬、抗けいれん薬といった薬が原因の場合もあります。
◇治療
薬の投与が原因の場合は投与を止めます。他に腎臓・副腎・肝臓などが病気になっていることもあります。そうしたケースでは、もとの病気を治療する必要があります。
■犬の尿の量が多いのは生殖器の病気が原因の場合がある
犬の尿の量が増える場合には生殖器が原因の場合があります。
ここではそれらの病気について解説します。
【子宮蓄膿症】
◇症状
メス犬の病気です。
発情の1~2ヶ月後に元気がなく、嘔吐、水を多量に飲んで大量の尿を出す、お腹がふくれるといった症状がみられたらこの病気を疑います。
まれに血や膿を含んだおりものが排出され、外陰部に付着することで気付くことがあります。
◇原因
子宮が細菌感染して炎症がおこり、子宮の中に膿が溜まります。
◇治療
血液検査を行って白血球数を数え、診断します。
また、レントゲン検査や超音波検査で子宮の状態を観察します。
一般的には子宮や卵巣を摘出します。
早めの避妊手術が病気を予防するひとつの手段です
繁殖を希望して避妊手術をしない場合でも、この病気に感染した後は妊娠率が下がることが多く、繁殖が望めないケースがあります。
一度、この病気に感染した犬については、妊娠率・再発の危険などを考え、避妊手術を推奨する獣医が多いようです。
【前立腺膿瘍】
◇症状
オスの病気です。
尿の回数が増えたり、濁った尿が出る、血尿が出るほかに、発熱や腹痛などもあります。
◇原因
前立腺に細菌が感染して膿がたまる病気です。細菌感染している期間が長くなり、溜まる膿の量が増えると前立腺が破裂することもあります。
◇治療
抗生物質を使って細菌を殺すと同時に、去勢手術を行うのが一般的ですが、前立腺を退縮させる薬を使うケースもあります。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
尿の回数や量が増える病気は、腎臓などに異常があるケースと、ホルモン異常、生殖器の病気など多岐にわたります。
原因を早く特定することが完治への近道です。尿の回数や量を日頃から観察しておくのと同時に、できれば避妊手術・去勢手術を早いうちに済ませておくことをおすすめします。
関連記事になります。合わせて御覧ください。
⇒犬の尿(おしっこ)から分かる病気5選。色が濃い薄いや血が混ざるなどを解説
⇒犬のおしっこ(尿)が黄色い!尿が濃い原因や病気を解説します
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