犬の室内飼いが増え、都市部では心配無用ともいわれるようになったフィラリアですが、外飼いの犬の死因トップを占めているのをご存じでしょうか。
フィラリアは感染してしまうと治療が難しいうえ、誤った治療を行うと死に至る恐ろしい病気です。そんなフィラリアの初期症状から末期症状までを紹介しましょう。
目次
■犬のフィラリアとはどんな寄生虫?
フィラリアは犬糸状虫といわれる細長くて白いそうめんのような寄生虫です。成虫になるとオスは約20cm、メスは約30cmの長さに達します。
フィラリアは複数の成長段階を経ることと、犬→蚊→犬というように異なる生物の中で成長するのが特徴です。
(1) フィラリアに感染している犬(以下、感染犬)の体内でフィラリア成虫(メス)が「ミクロフィラリア」を産む
(2) 蚊が感染犬の血を吸うことで、ミクロフィラリアが蚊に移行する
(3) 蚊の中でミクロフィラリアが第1期幼虫から第3期幼虫に成長する
(4) 蚊が犬の血を吸った時、吸血針から犬の体内へ第3期幼虫が移行する
<第3期幼虫が犬の体内に入ることで「感染が成立」する>
(5) 犬の体内に入った第3期幼虫は約2週間で第4期幼虫になる。感染から約2~3か月で第5期幼虫になり、感染から約半年で成虫になる。筋肉や脂肪の中で成長した幼虫は最終的に心臓や肺動脈に達して成虫となり、オスとメスが揃うとメスがミクロフィラリアを産むようになる
100%蚊に刺されない環境を作り出すことができれば感染の心配はありませんが、それは難しいでしょう。
「第3期幼虫が体内に入っても成虫にならないように幼虫を駆除する」という対策をとるのが大切になり、具体的には薬を飲んで第4期幼虫を駆除することで成虫が心臓などに寄生するのを阻止します。
■犬のフィラリアの症状を段階ごとに紹介
フィラリアのライフサイクルは複数の段階にわかれていて、成長に数ヶ月という時間がかかります。
このため、犬が感染しても症状はゆっくりと現れ、ウイルス感染症などに比べて発見が遅れるケースが多くあります。実際に現れる症状について段階を追ってみてみましょう。
●フィラリアの初期症状
第3期幼虫が体内に入った時は症状が現れません。筋肉や脂肪の中で2~3か月間かけて成長していくので、この段階で感染を把握することは困難です。
症状が現れてくるのは、成虫が心臓や肺動脈に寄生し始めてからになります。具体的には次のような症状が出ます。
・運動すると呼吸が荒くなる
・運動すると咳がでる
・散歩の途中、坂道や階段を移動するのが遅くなる(嫌がるようになる)
心臓や肺動脈に成虫が寄生すると血流が悪くなり、運動をしたときなどに酸素を効率よく取り込めなくなります。このため、呼吸器系の異常が現れるようになります。
●フィラリアの進行の過程
症状が進行してくると、症状は次のようなものになっていきます。
・咳や荒い呼吸の頻度が高くなる
・食欲はあるけれど体重が減っていく
・毛艶が悪くなる
・脱毛する
・お腹が膨らんでくる(水が溜まり始める)
こうした症状が一気に現れると飼い主も気付きやすいのですが、徐々に数か月間かけて進行していくので「ちょっと調子が悪いかな?」くらいにしか思わない飼い主もいます。
時間が経てば経つほど心臓や肺動脈の中の寄生虫の数が増え、血流が悪化していきます。
●フィラリアの末期症状
症状が次のような状態になると、末期症状と言えます。
・なにかを吐き出そうとするような、激しい咳をする
・明らかにおかしい、と気付くほどお腹がふくれあがる(水が溜まっている)
・胸部に水が溜まる
・貧血
・少し動いただけで失神する
・心臓肥大
・肝硬変
・呼吸困難
こうなると、心臓や肺動脈中が寄生虫で溢れ、ほとんど血液が流れないような状態になってしまっています。最終的には心不全を起こし、死に至ります。
末期症状になると薬による治療は不可能です。外科手術でフィラリアの成虫を一匹ずつ取り出すことになりますが、高度なテクニックのいる手術になり、犬にも大きな負担が掛かります。
■フィラリアの予防とは
フィラリアの予防には駆除薬を服用することになります。感染を100%阻止することが難しいので、感染しても成虫になる前、第4期幼虫を薬で駆除する方法をとります。
蚊が活動を始める前から、蚊の活動が終わる頃にかけて、月1回薬を飲むのが一般的です。地域にもよりますが、5月~11月頃まで薬を飲み続けることになります。
薬の成分は複数あり、幼虫にのみ効くものや、成虫を駆除するためのヒ素を含んだ薬もあります。
成虫は心臓や肺動脈に寄生しています。成虫の寄生数が多いのに駆除薬を一気に使用すると、死んだ成虫が心臓や肺動脈に詰まり、血流が止まって犬が死に至ってしまいます。
フィラリアの薬は服用前に必ず感染しているかどうか検査が必要です。検査の結果をふまえて薬を選び、獣医師の指導のもとで服用しなければなりません。決して自己判断で犬に薬を与えないでくださいね。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
フィラリアは初期に感染を見つけることが難しく、末期になると治療がほぼ不可能というやっかいな寄生虫です。
ただ、薬を利用すれば成虫が心臓や肺動脈に寄生することを高確率で阻止できます。もう危険がなくなった病気、ともいわれますが蚊に刺されない環境を作ることが難しいので、毎年の予防は続けて行うようにしたいですね。
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