犬が震えることはよくありますが「吐く」という症状が一緒にみられる場合は病気になっている可能性が高いと考えられます。
吐く病気の中にはすぐに治療しないと命に関わるものもあります。今回は「震える」「吐く」という症状がみられる病気をあげてみます。
目次
■犬が震えるのはストレスが原因の心の病気
犬はストレスが掛かると「自分を安心させる」「相手を安心させる」こうした理由から、あくび、伏せる、震える、視線を外す、鼻を舐めるといった「カーミングシグナル」という仕草を見せます。
・精神的に不安定
・神経質
・安心できる場所や時間がない
・警戒心が強い
このような特徴のある犬の場合、頻繁にカーミングシグナルを出し、それでも状況が改善されずにストレスが掛かり続けると心の病気になってしまうことがあります。
このような犬の場合、なにか大きなストレスが掛かると、震える他に吐くという症状が出てくるケースがあります。
心の病気の場合は治療に時間がかかります。飼い主との信頼関係を築き、飼い主と離れても安心できる場所や環境を整えてあげる必要があります。
■感染症の可能性
震える、吐くという症状は、主に消化器系の病気が疑われます。発熱や脱水症状などの症状と合わせて震え、嘔吐が見られます。
以下に紹介している感染症は全てワクチンで予防が可能です。一度の接種で複数の病気を予防できる混合ワクチンもあるので、定期的な接種がおすすめです。
●ジステンパー
初期症状として高熱が出ます。続いて嘔吐、下痢、肺炎など、消化器系や呼吸器系の異常が出てきます。進行すると神経がおかされてしまい、震え、けいれんという症状も現れます。
子犬やシニア犬など、体力がなかったり免疫力が低い犬が感染しやすく、症状が長引くと死亡率が高くなる病気です。
●犬パルボウイルス感染症
腸の粘膜がひどくただれ、激しい嘔吐や下痢を繰り返し脱水症状に陥りやすい病気で、子犬の場合は1~2日で死亡し、成犬でも25%は死亡する病気です。
感染力が非常に強く、一匹感染しているとそのペットショップにいる犬は全て感染しているといわれるほどです。
●コロナウイルス感染症
ウイルスが原因の感染症で、腸炎を起こし、下痢や嘔吐の症状が顕著に現れます。
パルボウイルス感染症ほど強い症状ではなく、回復する可能性の高い病気ですが、子犬の場合は脱水症状を起こして死亡することがあります。
●犬伝染性肝炎
イヌアデノウイルスに感染し、肝臓に炎症が出ます。無症状のケースもあれば、急に高熱を出してその日のうちに死亡するケースもあります。
無症状、食欲低下、元気喪失、高熱、震え、嘔吐、下痢、むくみ、扁桃腺の腫れなど、症状はたくさんあり、飼い主が気付きにくいこともあります。
また、病気が治ったとしてもウイルスは肝臓で半年近く生きていて尿中に排泄されます。治った後も半年間は感染能力があるので注意が必要です。
■中毒
・タマネギ中毒
・チョコレート中毒
・殺虫剤による中毒
・除草剤や農薬などによる中毒
・医薬品中毒
中毒にも多くの種類がありますが、そのほとんどに「震え」「嘔吐」の症状がみられます。また、目の充血、興奮、心拍上昇、下痢、腎不全などの症状も現れます。
ほとんどの原因が誤飲です。飼い主が日々、気を配ることで8割近くが防げると言われています。室内はもちろん、散歩途中や留守中もできる限り誤飲の危険を低くするよう注意しましょう。
なお、誤飲の可能性が有る場合はできる限り早く動物病院へ行き、なにをいつどれくらいの量を飲み込んだか獣医師に伝えてください。
中毒の場合は命に関わることもあり、後遺症が残るケースもあります。できるだけ早く治療を受けましょう。
■消化器系の異常
●胃捻転
シェパード、グレート・デン、ボルゾイ、ボクサーなどで頻発する死に至る病気です。
運動直後に飲水したり、一気にものを食べることで胃がねじれてしまいます。。
体を震わせ、胃の中のものを一生懸命吐こうとするけれど胃がねじれてしまっているので吐けなくて苦しみます。
時折、吐くことがありますが、その時は悪臭を放つコーヒー色のものを吐きます。
緊急手術を必要とするケースが多く、処置が遅れると死亡します。水を飲む、食事をする時に細心の注意を払う必要があります。
●胃潰瘍
胃の粘膜に潰瘍ができ、組織が欠けたり穴があいてしまう病気です。食欲がなく、体を震わせてよく吐き、吐血することもあります。
胃液で粘膜が溶けているので、胃酸の力を抑える薬を飲んだり、潰瘍部分を切除する手術を行ったりします。
●急性胃炎
胃に炎症が起きて、急に嘔吐したり疼痛の症状がでてうずくまって震えます。水を飲んでは嘔吐する、ということを繰り返し、血を吐いたり、脱水症状に陥ることもあります。
異物を飲み込んだり、毒物を誤飲したことで発症するケースがほとんどです。飲み込んだものを吐かせる処置が有効ですが、飲み込んだものによっては食道や胃の粘膜を傷付けてしまうため、吐かせてはいけない場合もあります。
●急性膵炎
自分が作り出した膵液で膵臓自体を消化してしまう病気で、激しい腹痛や下痢、嘔吐が特徴的です。痛みで横になることができなくなり震えたり、ショック状態に陥ることもあります。
肥満、脂肪分の多い食事、高脂血症が原因と考えられています。獣医師の指示のもとで絶食して下痢と嘔吐が治まるのを待ち、少しずつ脂肪分の少ない食事をとるようにします。
■泌尿器系の異常
・膀胱炎
・腎不全
・腎炎
・尿毒症
泌尿器系の病気に感染した場合、正常に尿を作れなくなり、全身に老廃物や毒素がまわってしまいます。
体中の組織に毒素が回ると臓器が正常に機能しなくなり、嘔吐・下痢・震え・けいれん・食欲不振・元気喪失・体の麻痺・口からアンモニア臭がする、多飲多尿などさまざまな症状が現れます。
特に、尿毒症になると腎臓機能がほぼ全て失われている状態で治療が不可能といわれており、早い場合は数週間以内に死亡します。
腎臓は沈黙の臓器と言われています。加齢や細菌感染などで泌尿器系に異常がでた場合は、早期に発見して治療しなければ高い確率で治療が不可能な尿毒症の状態に陥ってしまうので注意が必要です。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
震えの他に嘔吐の症状が出ると、かなり多くの病気の可能性が出てきます。特に消化器系や、泌尿器系のトラブルからくる全身症状が多く見られます。
嘔吐がみられたらまず、動物病院へ行って診断を受けることをおすすめします。中には激痛を伴うなど、犬にとって非常に大きなストレスがかかる病気もあります。
いつ(食前、食後、運動後など)、どれくらいの、どんなものを、どれくらいの頻度で何回吐いたか、ということをメモして獣医師に伝えるようにしましょう。
病気の中には死亡率が高いだけでなく、長期間に渡って周囲に感染を広げてしまうものもあります。愛犬を守るだけでなく、病気を拡散させない、という意味でも早期治療や予防を考えてくださいね。
参考記事になります。合わせて御覧ください。
「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」
「愛犬の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかる場合があります。
動物病院で治療すれば助かった命が年に何件もあります。
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