犬の震えは珍しい症状ではありません。犬同士のコミュニケーションの手段の中にも震えがあります。
しかしこの震えが病気のサインであるケースもあります。今回は犬が「震える」というサインを出す病気についてまとめてみました。
目次
■震えが示す、犬の心の病気
犬にも心の病気があります。多くの場合、攻撃・破壊・吠える・異常行動といったサインを出しますが、震えがサインになるものもあります。
●環境の変化などによる不安による震え
飼い主が変わった、引っ越して環境が変わった、散歩中に突然クラクションの音を聞いて驚いた、花火や爆竹に驚いた、工事やサイレンなどの大きな音など、驚き・不安・恐怖で犬が震えることがあります。
飼い主と強い信頼関係が結べていたり、避難できる自分だけの縄張りがあれば、深刻な症状が出ることはありません。
音などに慣らすことは子犬の頃から社会化の一環として経験させておくことが理想です。成犬になってからトラウマのようになっている場合は時間を掛けて対処する必要があります。
●カーミングシグナルのひとつとしての震え
犬は争いを避けるためにコミュニケーション能力を備えています。犬同士で交わすサインが複数あり、その中に震えがあります。
「自分を安心させるため」「相手を安心させるため」に震えなどのサインを示して「敵意がない」「争う気がない」「服従する」といった意思を示しています。
ただ、子犬の頃からの社会化が不十分な犬だったり、神経質な犬の場合、他の犬や知らない人に対して極度の不安や恐怖を感じ、震え続けるようなケースがあります。
●分離不安からくる震え
飼い主から離れることができない「分離不安」に陥っている場合もあります。
犬としてしつけられていなかったり、飼い主が過度に犬に関わり過ぎることが原因のひとつと考えられています。
多くは「飼い主の腕の中や膝の上が、自分の安心できる場所」と思いこんでいて、常に飼い主と共にいなければ不安で精神的に不安定になってしまう状態です。
この場合、飼い主に抱かれていても小さな変化や刺激に震えたり、吠えたり、家具を壊すなどの問題行動が現れます。
他の犬や知らない人、新しい場所、音などに少しずつ慣らしていくことと、飼い主と離れたところにある安心できる場所を確保する必要があります。
■感染症が原因の震え
感染症の場合は必ず震え以外の症状が出ます。震えとそれ以外の顕著な症状を参考に、病気を疑ってください。
●ジステンパー
ウイルスが原因で発症する病気で、呼吸器系と消化器系に異常が出ます。高熱、下痢、肺炎などが主な症状で、高熱で震えたり、下痢が原因で脱水症状を起こして震えることがあります。
また、症状が進行すると神経が侵されてけいれんの症状も出てきます。震えがよく見られる病気です。
これはワクチンで予防ができるので、定期的なワクチン接種を検討してください。
●ケンネルコーフ
パラインフルエンザウイルスや犬アデノウイルスが原因の感染症です。
頑固な咳、鼻水が顕著な症状ですが、たんが絡んで咳き込み、吐くケースもあります。この時に震えが見られることがあったり、初期症状の微熱や重症化した時の高熱で震えることもあります。
咳やくしゃみの飛沫にウイルスが含まれていて、空気感染する感染力の強い病気です。ワクチン接種で予防できるので、定期的な予防接種が有効です。
●犬パルボウイルス感染症
犬パルボウイルスが原因の胃腸に激しい炎症が起こる病気です。子犬なら1~2日で死亡し、成犬でも25%は死亡する恐ろしい病気です。
突然の激しい嘔吐や下痢が顕著な症状で、ケチャップのような下痢便が出ます。食欲も低下し、脱水症状や低血糖症に陥って震えたりけいれんの症状がみられます。
死亡率が非常に高く、進行も早いので感染が疑われる場合は直ぐに動物病院へ行きましょう。
■泌尿器系の病気による震え
・膀胱炎
・腎不全
・腎炎
・尿毒症
細菌感染や結石、老衰、免疫作用の異常などで腎臓に障害が出て正常に尿が作れなくなる泌尿器系の病気でも震えがみられます。
膀胱や腎臓に炎症が起こった場合、高い確率で腎不全や膀胱炎になり、複数の泌尿器官に炎症がおこります。
早期に気付けばある程度治療は可能ですが、腎臓は沈黙の臓器と言われていて気付きにくいのが特徴です。
尿の量が増えたり、水を多量に飲んだり、嘔吐したり、アンモニア臭の口臭など複数の症状がみられますが症状の進行がゆっくりだった場合はこうしたサインに気付かないケースもあります。
「尿毒症」といった全身に老廃物や毒素が回る末期症状が現れて初めて気付くことも珍しくありません。
全身の機能が正常に働かなくなり、体が震えたり、痙攣したり、体温が低下したり、昏睡状態に陥って気付き、手遅れになるケースも多くあります。
■中毒による震え
・タマネギ中毒
・チョコレート中毒
・殺虫剤による中毒
・除草剤や農薬などによる中毒
・医薬品中毒
中毒にも多くの種類がありますが、そのほとんどに「震え」の症状がみられます。また、震え以外にも目の充血、嘔吐、興奮、心拍上昇、下痢、腎不全などの症状も現れます。
ほとんどが誤飲であったり、散歩中に雑草を舐めた、接触した、遊びで口にしたカエルやカタツムリが原因です。
中毒の場合は命に関わることもあり、後遺症が残るケースもあります。できるだけ早く動物病院に行き、誤飲の可能性のあるものを特定して治療を受けましょう。
■低血糖による震え
糖類は体を動かしたり、臓器や筋肉の働きを維持するためのエネルギー源になります。血中の糖濃度が低下すると、エネルギー供給が止まり、震えの症状が顕著に現れます。
震え以外にも、嘔吐、体が動かない、意識喪失などの症状がでます。
子犬や薬を飲んでいるシニア犬に多く見られる症状ですが、成犬でも興奮し過ぎたり、空腹時間が長い、運動のし過ぎなどが原因で低血糖症になることがあります。
糖類を補うのが一番効果的ですが、頻繁に低血糖症になるなら病院で検査を受けましょう。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
震えが症状として現れる病気はたくさんあります。ほとんどが、震え以外に特徴的な症状が現れますので、震え以外の症状にも注目する必要があります。
感染症の中にも迅速な対応をしなければ死に至るケースもあり、中毒や低血糖など飼い主が注意すれば防ぐことができるものもあります。
泌尿器系のトラブルの場合は、気付いた時には手遅れというケースもありますが、いずれにせよ日頃からの愛犬の観察が欠かせません。
たかが震えと軽んじず、日頃から注意して観察してあげたいですね。
参考記事になります。合わせて御覧ください。
「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」
「愛犬の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
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