犬も長寿の時代となり、それにともなって悪性腫瘍(がん)が死因の上位を占めるようになってきています。
悪性であるケースがほとんどの肝臓がんは、触れてわかるくらいお腹が膨れてくるのが特徴で、発症がわかった時には余命いくばくもない、といわれています。
今回は肝臓がんについて、腹水などの症状と余命を段階別に解説いたします。
■肝臓がんとはどんなもの?
肝臓がんには2タイプあると言われています。
・肝臓に発生したがん
・他の臓器などから転移してきたがん
肝臓がん自体は他の場所に転移することが少ない、といわれています。このため、肝臓のみを治療すればよいので、比較的、治療が簡単です。
しかし、犬に発症する肝臓がんはほとんどが、他の臓器から転移した肝臓がんといわれています。
肝臓は体内の老廃物や有害物質を処理する大きな臓器です。体内をめぐる物質が集まる臓器でもあります。
常に大きな負荷がかかっているため、がんが転移してくる可能性が高い臓器と言われています。転移してきた肝臓がんの場合は、肝臓のみを治療しても根本治療にはなりません。
口腔内のがん、骨のがん、胃・腸などのがん、皮膚がんなど、がんは様々な場所にできます。どこにできているのか、どれだけ広がっているのか、こうしたことを正確に把握した上で治療方針を決めることになります。
■肝臓がんの症状はどんなもの?
肝臓は沈黙の臓器ともいわれていて、肝臓の病気は進行するまで症状が出ないのが特徴です。
症状が出た時にはかなり進行していて、手遅れのケースもあります。肝臓がんが発見されたら、余命いくばくもない、というように言われるのはこのためです。
肝臓がんの主な症状は「食欲低下」と「腹水」です。段階を追っていくと次のようになります。
【初期】ほとんど症状がでない
【中期】元気がなくなる。食欲が低下する。体重が減ってくる。
【後期】貧血の症状が出る。黄疸。腹水。下痢。嘔吐。
お腹が膨れて来たり、下痢や嘔吐などの顕著な症状が出てきた時には症状がかなり進行しているケースがほとんどです。
なお、肝臓以外の場所にがんができていると、これら以外に他のがんの特徴も出て来るので気付きやすいかもしれません。
いずれにせよ、サイレントキラーといわれる肝臓がんは、気付くことが難しい恐ろしいがんです。
■肝臓がんになると余命はどれくらい?
肝臓にだけがんがあり、全てを手術で切除できたなら数年は生きることができると言われています。
ただ、肝臓がんがわかった時は多くが手遅れの状態で、体力などの面から手術ができないと言われています。
また複数の臓器にがんがある場合は全てを除去しなければ根本治療にならず、あまり長く生きられる保証はありません。
がんと診断されたら余命1~3年程度と考えてよいかもしれません。
■肝臓がんの治療法はどんなものがあるの?
根本的な治療法は「手術で切除する方法」です。ただ、麻酔のリスク、体力、持病の有無、他の臓器の状態、肝臓がんの場所によっては難しいケースがあります。
多く用いられるのが「化学療法」です。こちらは抗ガン剤を使った治療法で、複数の臓器にがんができている時に用いられる治療法です。
ただ、薬の副作用があり、長期間にわたって投与するので飼い主の負担と犬の負担が大きい治療法です。
「放射線療法」は化学療法よりも副作用が少なく、犬の負担が少ないといわれています。しかし、放射線療法が可能な動物病院(設備が整った病院)が少なく、かかり付けの病院で治療を受けることが難しいケースもあります。
他には、新しい治療法として「免疫細胞療法」というものがあり、副作用がほとんどなく、延命措置にもなるといわれています。
しかし、この治療ができる動物病院は非常に限られており気軽にうけることが難しいのが欠点です。
複数の治療法がありますが、進行状況、他のがんの状態、体力などを考慮して治療法を決めていきましょう。
■予防はできる?
残念ながら「これをすればガンを予防できる!」という予防策はありません。しかし、次のようなことに注意して、健康維持を日頃から心掛けることで予防できるかもしれません。
・5~6歳くらいから定期的に健康診断を受ける
・バランスのとれたフードを選ぶ
・おやつやサプリメントなどで栄養を補う
犬は5~6歳くらいでシニアになり、年齢を重ねるごとにがんリスクが高くなります。がん治療は「早期発見・早期治療」が基本になります。
かかりつけの動物病院を作り、定期的な健康診断を受けて病気を早期発見できるようにしましょう。
また犬も年齢を重ねると食べる量が減り、栄養分の吸収力が落ちてきます。このため、高タンパク・低脂肪、ミネラルバランスに配慮したフードを利用し、少量でも効率的に栄養を吸収できるようにしましょう。
また、一度に食べられる量が少ない場合は食事の回数を増やしたり、嗜好性の高いトッピングを利用したり、おやつを足すなどしてフードを口にする回数を増やしてください。
サプリメントなどを活用することもひとつの手段ですね。
健康維持のために日頃の食生活管理と健康チェックでがんの早期発見を心がけてください。
■まとめ
いかがでしたでしょうか?
沈黙の臓器ともいわれ、症状が出た時には手遅れともいわれる肝臓がんは年齢があがるにつれて発症率が高くなります。
5~6歳以上のシニア犬になったら定期的な健康診断をうけるようにしたいですね。
また、治療法も複数あるので、愛犬の場合、どのような選択肢があるのかよく考えてから治療を検討していきましょう。
おそろしいがんですが、早期発見・早期治療を目指していきたいですね。
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⇒犬の肝臓の病気。肝臓がんや急性肝炎など初期症状が分かりづらいのが特徴です
⇒犬の悪性腫瘍(がん)で考えること3つ。最後の迎え方をどうするか
「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」
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動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかる場合があります。
動物病院で治療すれば助かった命が年に何件もあります。
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