あなたの愛犬が水頭症と診断されたりはしませんか?
水頭症は小型犬によく見られる病気と言われています。
今回は、水頭症についてお話をしたいと思います。
目次
■犬の水頭症とは
脳の中には脳脊髄液という液体が入っていて、脳や脊髄が重力により潰れてしまうのを防いだり、脳の中の水分含有量の調節をする役割があります。
この脳脊髄液は脳の中の脈絡叢と呼ばれる血管が富んでいる部分から産生され、クモ膜顆粒と呼ばれる部位から静脈に流れ込みます。
正常な場合、この産生と吸収のバランスは保たれています。
しかし、産生の増加や吸収不全などの原因によって、産生と吸収のバランスが崩れると、脳の中に過剰な液体が貯留してしまいます。
そして、この過剰に脳脊髄液が貯留した状態を水頭症といい、脳の中の内圧が向上し、神経症状などの症状を示します。
■ 水頭症の症状
水頭症の症状は頭蓋骨の中の内圧が向上することに付随して起こるため、脳が圧力を受けることによる神経症状や、圧力の増加による頭蓋骨の変化が症状として出てきます。
先天性の場合、以下の外見上の変化が見られます。
・ 頭蓋冠の拡大
頭蓋骨のてっぺんのあたりを頭蓋冠というのですが、水頭症の子犬は発育途中においてもの頭蓋骨の中の内圧が高いためにここの部分が大きくなります。
・両側の外腹側斜視
内圧の向上により、頭蓋骨が変形するためや、動眼神経という目の動きを司っている神経が圧迫されることによって起こります。
斜視というのは目の黒目の部分が左右で逆側を向いてしまうことで、この症状では外腹斜視なので、目が斜め下方向に離れてしまいます。
・ 泉門などの開放
泉門というのは頭蓋骨のてっぺんにある部位で、人間の場合なども赤ちゃんの頭のてっぺんが柔らかい部分があるのですがそこの部分を言います。
この泉門は生まれた後にくっつくのですが、水頭症の場合、内圧が高いためここの部分が閉じることができません。
しかし、チワワなどのトイ犬種の場合この泉門の開放は一般的に見られることなので、これだけで特定することはできませんが、注意は必要です。
また、他にも発育不良などを示すこともあります。
神経症状は先天的、後天的にかかわらず同様の症状になります。
・ 前庭兆候
頭蓋骨の中の圧力が上がると、前庭という耳の中にある組織が圧迫されてしまいます。そのためここに起因する症状が見られます。
そのため、ぐるぐる回る旋回運動や、徘徊行動、てんかんなどの発作が見られます。他にも、視力の低下や元気消失などの症状を示すこともあります。
後天性の場合後述するように別の病気が原因になっていることがありますが、そのような場合にはその原因となる病気の症状も発症します。
■犬の水頭症の原因
水頭症は脳の中の液体の貯留によって起きるため、様々な原因が考えられます。
最もよくみられる原因は流路の妨害によるもので、先天的な原因と後天的な原因があります。
先天的な場合、脳室の奇形によって発生します。これは小型で鼻の短いチワワやヨークシャー・テリアなどの犬種によってはよく見られます。
脳の炎症や脳腫瘍などの後天的な原因によっても流路が妨害されます。
また、脈絡叢部分に腫瘍ができることで脳脊髄液の産生が増加することや、吸収部位に炎症が起きることによる吸収阻害によっても液体の産生と吸収のバランスが崩れ、液体の貯留は引き起こされます。
このように水頭症の原因は別の病気が原因で引き起こされるものも数多くあります。
この二次的な水頭症の場合、水頭症の症状の他に、原因となっている疾患の症状も発生するため、注意しましょう。
■水頭症の治療法
水頭症は多くの場合、先天的な奇形などの原因により、脳脊髄液の流路が阻害されることによって発生します。
そのため、貯留した脳脊髄液を腹腔内にバイパスし、腹腔の中で吸収させる脳室腹腔シャントという手術で治療することがあります。
この手術はうまくいった場合、元気な犬と同様になり、高いQOL(生活の質)の維持が期待できます。
しかし、感染や炎症などのリスクや、高額な治療費など問題点もあるので、獣医師との話し合いが必要です。
症状が軽度の場合は種ずつではなく、内科的治療をして維持することが多いです。
この場合、利尿薬やステロイドなどを長期的に投与することになります。
二次的な水頭症の場合は、原因になっている病気を取り除くことが必要になってくるため、獣医師と相談しましょう。
■ 水頭症になりやすい犬種
水頭症になりやすい犬種は小型で鼻の短い犬種です。
例えば、マルチーズ、ヨークシャー・テリア、イングリッシユ・ブルドッグ、チワワ、ラサ・アプソ、ポメラニアン、トイ・プードル、ケアーン・テリア、ボストン・テリア、パグ、チャウチャウ、ペキニーズなどがいます。
■さいごに
いかがでしたでしょうか?
犬の水頭症の原因は先天的なものが多いです。
犬の症状などをよく観察して獣医と治療については相談してみましょう。
関連記事になります。合わせてご覧ください。
⇒チワワがかかりやすい病気7選。気管虚脱や水頭症や目が飛び出すなど
「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」
「愛犬の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかる場合があります。
動物病院で治療すれば助かった命が年に何件もあります。
お金の問題で愛犬の寿命を縮めないためにも愛犬が元気なうちにペット保険に加入することが大事になります。
でも「ペット保険っていうけど、どういう保険があるの?」という疑問も出てくるかと思います。
ペット保険の加入に迷った場合には、ペット保険の一括資料請求がおすすめです。
複数のペット保険の資料を比較することで「あなたと愛犬にとって一番ベストの保険が分かる」というメリットもあります。
利用は無料です。詳しくはこちらをご覧ください。
>>>ペット保険の一括資料請求を試しに見てみる(無料)<<<