近年の健康ブームはペット業界にも及んでいますが、現代社会を生きる犬達は運動不足や環境の変化など様々なストレスを抱えていると言われています。
ストレスが愛犬の健康に与える影響は非常に大きいと考えられており、犬のわずかな体調の変化を見逃さないことが病気の早期発見・早期治療に繋がりとても大切です。
そこで愛犬の健康管理に是非役立てたい、見逃してはいけないうんちの色や形状の変化について詳しくご紹介します。
目次
■犬のうんち
健康な犬のうんちは、餌や個体によって多少異なりますが、一般的に茶色く適当な水分を含んでおり、すぐに拾い上げられる程度の硬さです。
うんちは健康のバラメーターといわれるように、餌の変化、ストレス、消化不良または感染症など様々な理由によって“いつもと異なるうんち”が見られる場合があります。
そのため愛犬の“いつもの健康なうんち”を把握し、“いつもと異なるうんち”が見られた場合には色、形状、臭いなどの変化をきちんと記録して動物病院を受診する必要があります。
それでは実際に、犬のうんちが緑色や黄色い場合には、どのような原因が考えられるでしょうか?
●犬のうんちが緑色の場合
・消化管通過時間の短縮
うんちの色を決めるのは、肝臓で作られ消化管内に分泌される胆汁の色素(ビリルビン)です。
正常であれば、ビリルビンは消化管内で腸内細菌の働きや酸化作用を受けて茶色いステルコビリンになります。
しかし、消化物が消化管内に留まる時間が短すぎると、ビリルビンが消化管内の細菌の作用を受けず、また胆汁が再吸収されることもなく排泄されるため、緑色のうんちになります。
そのため緑色のうんちが見られる場合には、消化物(排泄物)が消化管を通過する時間が短縮、つまり小腸や大腸の働きに異常があると考えられるため、動物病院をすぐに受診する事が大切です。
・抗生物質の与えすぎ
抗生物質を必要以上に与えてしまっている場合にも、緑色のうんちが見られる事があります。
この場合には、抗生物質の副作用により、健康な腸内環境を維持するために必要な“良い腸内細菌”も死滅してしまうからと考えられます。
抗生物質を与える際には、獣医師に指定された投与量・回数をきちんと守ることが大切で、うんちに変化などが見られる場合にはすぐに動物病院に連絡しましょう。
・その他の原因
クロロフィルが含まれているデンタル用おやつやサプリメントなどを与えると、緑色のうんちが見られる場合があります。
このような場合には、クロロフィルが含まれるおやつやサプリメントの投与をやめれば緑色のうんちは解消されますので、愛犬の健康状態に変化がなければ特に問題はありません。
●犬のうんちが黄色い場合
・黄疸
肝炎や肝硬変などの肝臓の疾患、胆汁の排泄障害(胆管狭窄・閉塞など)、過度の溶血などによって、血液中の胆汁色素(ビリルビン)が過剰すると、皮膚や粘膜などが黄色く染まる“黄疸”という症状が見られます。
黄疸の症状が進行すると、黄色い(蛍光色のような濃い黄色)おしっこやうんちが見られる場合があります。(ただしうんちに含まれるビリルビン濃度により黄疸を診断することは不可能です。)
黄疸が見られる場合の治療方法は、原因によって異なり、緊急を要する場合もありますので、自己判断は避け早急に動物病院を受診しましょう。
・餌の変化
穀物や食物繊維が多く含まれている餌を与えると、腸内環境が酸性に偏ってしまい黄色っぽいうんちが見られる場合があります。
■さいごに
ストレス、餌の変化や消化管内の異常により、犬の腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、うんちの色や形状、臭いなどに変化が見られます。
ペット先進国といわれるアメリカやヨーロッパ各国では、以前から様々なペット用サプリメントが市場に出回っており、中でも腸内環境を改善するサプリメントは普段から犬の健康管理に取り入れられています。
現代社会を生きるペット達の健康をサポートする為には、“いつもと違う”事を見逃さないようにし、またサプリメントなどを上手に利用して栄養バランスのとれた食習慣を整えてあげることががとても大切です。
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