目次
◆犬の咳
犬も咳をすることを、みなさんはご存知でしょうか。犬も人間と同じように、風邪をひいたり、どこか具合の悪い時に咳がでます。
●防衛反応としての咳
そもそも咳というのは、体内に異物が入った時にそれを出す作用があります。
病原菌やほこりなどが体内に入った時に防御反応として咳をするのは自然なことです。
●病気の可能性がある咳
問題は、咳が長引いた時になります。咳が続くようなら何らかの病気にかかっている可能性もあります。
犬の咳は、人間の咳とは音が少し異なります。
初めて愛犬が咳をするのを見ると、驚いてしまうかもしれません。
今回は、犬の咳について、その音の違いや疑われる病気などを紹介します。
●咳には種類があります
音の違いによって、疑われる病気がわかります。
聞き分けるのは少し難しいですが、特徴的なものもありますので、覚えておきましょう。
・ケホケホ(乾いた咳)
ケホケホと犬が乾いた咳をした場合に可能性がある病気です。
① ケンネルコフ
犬の風邪と言われているものです。犬が多く集まる場所でうすされることが多いです。
ケホケホと乾いた咳が激しく続くのが特徴的で、発熱を伴うこともあります。
ケンネルコフの病気だけならあまり怖くありませんが、別な感染症にかかる可能性があるので注意が必要です。
ケンネルコフの原因は、パラインフルエンザウイルスとイヌアデノウイルスになります。
これらに感染することにより発症します。主に咳やくしゃみでうつるために注意が必要です。
ワクチンで予防できる病気です。月齢の低い仔犬がかかりやすいので注意しましょう。
こちらがケンネルコフの動画になります。
② 気管支炎
細菌やウイルスに感染することによって気管支に炎症が起こる病気です。ケンネルコフと同じ様な感染ルートになります。
初期はケホケホと乾いた咳ですが、症状が進むにつれて、ゴホゴホと湿った咳をするようになります。
痰がからんで、吐き出すようなしぐさを見せる場合もあります。
咳の後に嘔吐したり、鼻水が出たり、発熱が出たりした場合に症状が悪化しているので注意が必要になります。
気管支炎には、抗生物質が有効とされています。他にも咳や痰を抑える薬などもあります。
薬を投与してもらい安静にすることが回復の近道です。
③ 僧帽弁閉鎖不全症
心臓の血液がうまく循環されずに、逆流してしまう病気です。
乾いた咳が特徴で、明け方や夜中に多く咳がでます。小型犬に多く見られる病気です。
最初の頃は運動したら軽く咳が出る程度ですが、徐々に症状は悪化していきます。
時には呼吸困難に陥ることもある病気になります。
僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の弁に異常が生じる病気になります。正常なら閉まる弁が加齢とともにこの弁が閉まらなくなりこの病気を発症します。
根本的な治療は外科手術になります。
しかし、外科手術をすると犬によってはとてもリスクが大きいです。
一般的には、投薬により症状を和らげる処置を施すことが多いです。
そうなると長期に渡って投薬をすることになるでしょう。
日常生活でも、激しい運動をして呼吸を乱さない様にしたり、健康的な食事をすることを心掛けて症状が悪化しない様にすることが大切になってきます。
マルチーズがかかりやすい病気と言われています。
詳しくは『犬の心臓病。僧帽弁閉鎖不全症の症状は咳や心臓音で早期発見!』で解説しています。
こちらが僧房弁閉鎖不全症の動画になります。
④ 肺炎
肺に炎症が起こった場合も、乾いた咳がでます。
咳とともに、ヒューヒューと音がすることがあります。
肺炎は重い病気になると呼吸困難に陥ることもあります。
また咳が酷くなってくると嘔吐をしたり、発熱、食欲も低下しますので犬の様子は注意して観察しましょう。
主な原因は細菌やウイルスになります。肺炎は気管支炎も併発する可能性があるので注意が必要です。
治療としては、主に気管支炎と同じになりますが犬を安静にさせて食事を食べさせ体力を付けさせることが大切になってくると思います。
⑤ フィラリア症
フィラニア症は、フィラニア(いぬ糸状虫)という寄生虫が心臓に寄生することにより発症します。
野外で暮らす犬の死因トップになっています。
フィラリア症を患っている場合も、ケホケホと乾いた咳がでます。他には、腹部に水が貯まるのでお腹が膨らみます。
「太ったのかな」と思う程度ですが、咳が出ている場合は注意が必要です。進行するとお腹がパンパンになるほどです。
症状は、咳の他、食欲低下、貧血、呼吸困難が挙げられます。
他には血尿や元気がない、などの症状がみられます。
原因としては、蚊を媒介してのフィラニア感染になります。
それ故、屋外で買われている犬がかかりやすいのです。
治療としては、駆虫薬という薬を使ってフィラニアを殺します。
しかし、そのフィラニアの死骸が流れて血管に詰まってしまい重篤になる場合があります。
なので投薬が難しい病気としても知られています。
緊急の時には手術になることもあります。
しかし、フィラニア症には予防薬があります。
屋外で飼われている犬は、予防薬をしてこの病気を予防することをオススメします。
⑥ 心不全
心不全は、病気というよりは心臓の機能低下を意味します。
何が原因かに依りますが咳を伴う症状が出る場合があります。
原因となる病気を治さないことには心不全を治すことはできません。
なのでそれまでは強心薬を用いて心臓の働きを強くしたりして対処します。
心不全の根本治療はできないので症状を緩和する対応になります。
⑦ 誤飲や肋骨の骨折
乾いた咳が出る場合に、病気の他には誤飲や肋骨の骨折も考えられます。
直近で何か食べなかったか、何かに体をぶつけなかったかなど思い当たる節を思い出してみましょう。
病気ではないですが、誤飲や肋骨の骨折の場合も動物病院に行くことをオススメします。
●ゴホゴホ(湿った咳)
ゴホゴホと湿った咳をした時になる可能性がある病気です。
肺水腫
心臓の病気が進むと見られる病気です。
心臓の機能が衰え、体内の血液がうまく循環しないことで、肺に水がたまってしまうのです。
ゴホゴホと湿った咳をするのが特徴的です。咳が激しくなると呼吸困難に陥る場合もあります。
もともと心臓病を患っている犬は、急に体重が増えたら、肺に水がたまっているのかもしれないので注意が必要です。
治療としては、利尿薬が有効とされています。
利尿薬を用いて水分を減らし、症状を緩和させます。
⇒犬の肺水腫の症状や原因や治療法。余命により治療を考えましょう
●ガーガー(アヒルの鳴き声)
ガーガーとアヒルの鳴き声の様な声を出す咳の場合に可能性がある病気です。
気管虚脱
気管がつぶれてしまう病気です。
ガーガーとアヒルの鳴き声のような咳が特徴的で、ひどくなると、呼吸がうまくできずに倒れてしまうこともあります。呼吸が酷くなるだけで咳が出ないケースもあります。
短頭種と言われる、チワワやヨークシャテリアやパグやフレンチブルドッグに多い病気です。
治療としては、咳を抑える薬や、気管支拡張の薬になりますが、あくまでも一時的な効果で緩和するだけになります。
手術をすることもありますが、今の医学では治すことが難しい病気と言われています。
夏場に症状が悪化するケースが多いので、その様な日は涼しいところで安静にさせる様にしましょう。
こちらが気管虚脱の動画になります。
●痰を伴う激しい咳
痰を伴う咳の場合は、気管支炎などの呼吸器系の病気が考えられます。
痰が出る場合には病院に行くことをオススメします。
●犬が咳をしている時の対処法
犬が咳をしている時は、どんな音か、どんな様子か確認しておきましょう。
病院に行った時にうまく説明できない場合は、携帯で動画を撮っておくと、わかりやすいのでおすすめです。
また、咳が続く場合は、呼吸がうまくできずに倒れてしまうこともあります。
舌の色を見て、紫色になっている場合は注意してください。
◆さいごに
愛犬が咳をすると心配ですよね。ただ、咳をしただけでは、病気というわけではありません。
水を飲んだ時に水が気管に入って、むせた時にも咳がでます。
いつ咳をするのか、慢性的に続いているものか、よく観察しましょう。
飼い主さんしか気づくことのできない病気かもしれません。
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関連記事になります。合わせて御覧ください。
・犬の心臓病。僧帽弁閉鎖不全症の症状は咳や心臓音で早期発見!
・犬の感染症ケンネルコフ。微熱や咳が続いたら要注意。症状や原因などを解説
・犬の発熱で分かる病気6選。症状や原因や嘔吐する場合などを解説
・犬の気管支炎。ケホケホという乾いた咳が止まらない時に疑ってください
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