犬の「祈りのポーズ」って聞いたことありますか?
実は祈りのポーズは犬の腹痛のサインとして見られることがあるのですが、それがどんなものなのか、見られたらどんなことに気をつけたらよいのか、動画を交えて詳しく解説していきたいと思います。
初めて聞いた方は、ぜひこの記事を読んで知っておいて下さいね。
目次
犬の祈りのポーズ(祈りの姿勢)とは?
祈りのポーズとは一体どんな姿勢なのか、何が原因でそんな姿勢をとっているのか、「プレイバウ」との見分け方について解説します。
祈りのポーズってどんな姿勢?
犬が「前肢をのばして胸を床につけ、腰を上げる姿勢」をとることがあり、これを「祈りのポーズ」や「祈りの姿勢」と呼びます。
まずは、実際に犬が祈りのポーズをしている動画をご覧いただきましょう。
動画のワンちゃんは黙々とこのポーズを何度もとっていて、なんとなく元気がなさそうに見えますね。
このポーズをとる意味は何かというと、動画の解説文にもあるように犬が腹痛を訴えていることが多いとされています。
犬の祈りのポーズや震えは腹痛のサイン!
犬でも人と同じように、様々な原因でお腹が痛くなることがあるのですが、犬が腹痛を感じている時に見られる行動の一つが「祈りのポーズ」になります。
もちろん、腹痛があるからといって必ずしもこのポーズをとるとは限りません。
その他の腹痛を疑う症状として、痛みで震えていたり、逆に背中を丸める姿勢(背弯姿勢)をとったり、お腹に触れると悲痛な声をあげたり、抱っこをしようとすると暴れたりすることがあります。
犬がこのような腹痛の症状を訴えている時は、大抵嘔吐や下痢、食欲不振、発熱など他の症状を伴っていることが多いです。
プレイバウとの見分け方は?
祈りのポーズに似ている動作の一つとして、「プレイバウ」があります。
プレイバウとは、上半身は伏せの姿勢をしつつ腰を高く持ち上げる動作で、「遊びを誘っている」姿勢です。
では実際の動画をご覧いただきましょう。
動画のワンちゃんは、もう一匹のワンちゃんにむかって遊びを催促しています。
興奮気味にしっぽを振っていて、とても楽しそうにしているのが分かります。
先ほどの祈りのポーズのワンちゃんは黙々とそのポーズをとっていますから、プレイバウのときとテンションに差があることは明らかだと思います。
元気があるかないか、これがプレイバウと祈りのポーズの違いになります。
犬が腹痛を起こす病気にはどんなものがある?
腹痛の原因となる病気は様々で、自然に治まるものから入院治療が必要なものまであります。
また原因は別の病気でも、震え、嘔吐や下痢、発熱、食欲や元気がない等の似たような症状を起こすため、症状からこの病気だろうと当たりをつけることは難しく、診断には検査が必要になります。
それでは具体的な病気の例を挙げていきましょう。
胃腸の病気
ウイルスなどの感染症による急性胃腸炎や消化管内異物による閉塞、胃腸の運動低下(麻痺やけいれん)、胃拡張胃捻転などで腹痛を起こすことがあります。
胃腸の病気では、腹痛の他に嘔吐や下痢を伴うことも多いです。
また2週間以上続くような腹痛がある場合、炎症性腸疾患やリンパ腫などの腫瘍の可能性も疑われます。
肝臓や胆嚢の病気
胆嚢粘液嚢腫という胆嚢の病気になると、胆嚢が破裂してしまうことあります。胆嚢破裂を起こすと、胆汁という消化酵素がお腹の中に漏れてしまうため、胆汁性腹膜炎と呼ばれる病態に陥り、腹痛を引き起こします。
その他、嘔吐や食欲不振、黄疸などの症状を伴うこともあります。
膵臓の病気
膵臓に炎症が起こる病気を膵炎といい、急性膵炎と慢性膵炎に分かれ、中でも急性膵炎では腹痛の他、突然の激しい嘔吐や食欲不振、元気低下を引き起します。
犬が「祈りのポーズ」をする原因として大変重要な病気なので、次のセクション「犬の急性膵炎について」で詳しく解説します。
尿管結石
尿管結石とは、腎にできた結石が尿管に流れて詰まったものです。
尿管結石が存在すると尿が流れなくなるため、腎臓が尿で膨れてしまいます(水腎症)。
尿管結石になると、痛みと元気食欲の低下といった症状が見られます。
人が尿管結石になると、とてつもない痛みを伴うそうですが、犬は言葉で痛みを表現することができず、残念ながら飼い主の方が気づかないというケースも多いです。
腎臓の機能を温存するためにも、診断がついたらできるだけ早く結石を摘出する必要があります。
生殖器の病気
子宮に細菌が感染する子宮蓄膿症という病気になると、お腹の中に強い炎が起こるため、腹痛の症状がでることがあります。
また、細菌の毒素が体にまわるため嘔吐したり、発熱、元気食欲低下などの症状が見られることがあります。
放っておくと子宮が破裂し細菌性腹膜炎と呼ばれる病態や敗血症性ショックを起こすこともあるため、診断後すぐに子宮卵巣摘出(避妊手術)する必要があります。
犬の急性膵炎について
腹痛を起こす病気の中でも「祈りのポーズ」をする原因の代表的なものに、この急性膵炎があります。
急性膵炎は犬によく見られる病気で、なおかつ重症化することもある病気ですので、ピックアップして解説したいと思います。
急性膵炎とはどんな病気?
膵臓の役割の一つに、栄養素を消化する酵素を作り、導管を通って十二指腸に分泌するといった外分泌器官としての働きがあります。
膵炎とは、何らかの原因で導管の外に消化酵素が漏れてしまい、膵臓自体が消化され炎症を起こす病気のことです。
人と同様に、中高齢の犬で発症が多いです。
原因は?
元々肥満で膵臓に負担がかかっていたり、いつも高脂肪の食事を食べていたり、脂肪分の多い食べ物(てんぷら等)を盗み食いすると膵炎を起こしやすくなります。
また、ミニチュアシュナウザーなどでは遺伝的に脂肪代謝異常があり、膵炎になりやすい犬種として知られています。
その他、腸など別の臓器から炎症が広がって二次的に膵炎が引き起こされることもあります。
症状は?腹痛、嘔吐や下痢!
急性膵炎になると、元気食欲の消失、頻回の嘔吐が高率で見られます。
また震えや祈りのポーズなどの腹痛の症状、下痢や発熱、黄疸などの症状も見られることがあります。
診断方法は?
膵炎の診断に重要な検査として、血液検査、レントゲン検査、超音波検査があります。
特殊な血液検査になりますが、犬膵特異的リパーゼ(spec cPL)は膵炎の診断として有用性が高いと言われており、必要不可欠な検査になっています。
治療は?どんな薬を使うの?
急性膵炎は重症化すると命に関わることもある病気であるため、急性膵炎と診断された場合、ほとんどのケースで入院治療が必要になります。
病院では、静脈点滴、制吐剤、胃粘膜保護剤、鎮痛剤、抗生剤などの投与を行い、膵臓の炎症が落ち着くのを待ちます。
嘔吐がある間は絶食をしますが、嘔吐がなくなってきたら口から水分を与えたり、少しずつ流動食を与え始めます。
脂肪分の摂取は膵炎の悪化につながるため、治療後もしばらく低脂肪食を継続する必要があります。
さいごに
もし犬が祈りのポーズをとっていたら、急性膵炎などの病気が原因で腹痛を起こしているかも知れません。
元気や食欲がないなどその他の症状も合わせて見られるようであれば、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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