「犬が伸びのポーズをよくするけどどんな意味があるの?」
「犬が伸びをよくするようになったんだけど何かの病気?」
なんてあなたは思ってはいませんか?
今まであまり伸びのポーズをしなかったのに頻繁にするようになると気になりますよね
犬が伸びのポーズをしている時、実は色々な意味があることをご存知ですか?
中には命に関わるサインの場合もあります。
どのような時に伸びをするのかを知っておくことで、どのパターンの伸びなのか判断できるようにしていきましょう。
目次
伸びの種類
伸びにもさまざまな種類があります。
ストレッチ
人間と同じように、寝起きや、ずっと同じ姿勢でいた時などの後に、筋肉の緊張をほぐして、動きをスムーズにするために行います。
カーミングシグナル(プレイバウ)
カーミングシクナルとは「落ち着かせる信号」という意味で、言葉を話すことができない犬が他の犬や飼い主に対して行うボディランゲージの一つです。
その中で、「プレイバウ」というシグナルは、前肢を伸ばし、伏せの状態でおしりを高く上げる姿勢のことです。
伸びをしているように見えます。
他の犬や飼い主を遊びに誘うと時に行うポーズで、興奮している相手をなだめたりするときにも行います。
通常しっぽを左右に大きく振っています。
プレイバウをしているときの動画はこちらです。
祈りのポーズ
前肢を伸ばし、胸を床につけ、お尻を上に高く持ち上げた姿勢です。
腹痛を我慢している、または、痛みを訴えている時に行われることが多いです。
プレイバウと姿勢に大きな違いがなく、見極めが難しいという事もありますので違いを把握する必要があります
基本的に犬は痛みにかなり強く、このように痛みを表現する場合はとても深刻な病気を発症している可能性が高いです。
祈りのポーズをしている動画はこちらです。
こちらの記事もご覧ください。
⇒犬が祈りのポーズ(腹痛)をする!原因は何?症状は?【動画有】
プレイバウと祈りのポーズの見分け方は?
・プレイバウは遊びに誘う対象に向かって行う行動だが、祈りのポーズは何も対象がないときに行う
・プレイバウは楽しそうに尻尾を上げたり振ったりするが、祈りのポーズは尻尾を下げ、股に挟んでいる事が多い
・祈りのポーズは痛みから小刻みに震えたり、ポーズのあとに部屋の隅でうずくまったりつらそうにする
前述のプレイバウと祈りのポーズの動画を比較すると分かりやすいでしょう。
祈りのポーズをする原因は?
祈りのポーズをする原因について解説します。
膵炎
膵臓は消化酵素である膵液を分泌したり、血糖値を上下させるインスリンなどのホルモンを分泌する臓器です。
通常であれば、膵臓は自身の消化酵素では消化されないようにコントロールされています。
しかし、膵臓が作り出した消化酵素によって、膵臓自体が消化され、この時に炎症を起こした状態のことを「膵炎」と呼びます。
急性膵炎と慢性膵炎に分類され、この二つは症状が異なります。
慢性膵炎は、急性膵炎が長引いた場合や繰り返し起こることによって慢性化してしまった状態のことを言います。
原因
腫瘍や異物などで、膵液が分泌される「膵管」が詰まり消化酵素が逆流した場合や、胆嚢や腸からの炎症の波及、高脂肪の食事を一過性に大量に食べた時、または慢性的に食べて続け肥満している時に多いとされています。
また、抗がん剤、農薬、臭化カリウムなどの薬剤、脂質代謝異常、糖尿病、甲状腺機能低下症、副腎機能亢進症などの内臓疾患、避妊去勢手術も発症の原因の一つと考えられています。
ミニチュアプードル、ミニチュアシュナウザー、コッカースパニエルやヨークシャテリアなどは遺伝的に発症する可能性がやや高いといわれています。
症状
<急性膵炎>
激烈な痛み、激しい嘔吐、激しい下痢、食欲不振が最大の特徴です。
食欲不振で食べていないにもかかわらず液体や胆汁を吐いたり、ひどい吐き気からよだれが出ます。
脱水から水を飲みたがりますが、その度に嘔吐を繰り返す場合もあります。
下痢がひどくなると出血を伴うこともあります。
また、腹部の激しい痛みから、「祈りのポーズ」を呈したり、重症例では黄疸、消化管出血、発熱なども見られ、多臓器不全に陥ったり、ショック状態、血圧の低下や心臓の停止が起き、死に至ることもあります。
<慢性膵炎>
急性膵炎が突発的に激しい症状が見られるのに対して、慢性膵炎は他の消化器系疾患と区別しづらい嘔吐や下痢が断続的に続き、食欲不振、脱水症状、体重の減少も見られます。
また腹痛も続き、悪化すると低体温や黄疸などの症状も出ます。
膵臓が壊されて炎症が起こると、インスリンなどの分泌出来なくなり、糖尿病を発症することもあります。
治療
一度、自ら消化された膵臓を元通りにすることはできません。
なるべく早期発見をして、炎症を取り除き、それ以上症状が悪化しないような治療法を行っていきます。
ショック症状や痛みを抑えるために、鎮痛薬や点滴の投与、制吐剤の投与を行います。
短期間絶食し、膵臓を休ませて消化酵素を分泌させないようにします。
その間、脱水や栄養失調を防ぐために水分と栄養は点滴によって補給します。
嘔吐が収まれば、低脂肪の繊維食を少しずつ与えていきます。
なお、慢性膵炎の場合も同様の治療を行います。
胃捻転(いねんてん)
なんらかの原因で胃がガスで風船のようにパンパンにふくらみ(胃拡張)、その後ねじれて回ってしまう(胃捻転)状態をいいます。
捻転した胃が周りの臓器を圧迫し、壊死してしまったり、胃と共に脾臓や血管なども捻転し、血液が遮断されます。
多臓器不全を起こし、最悪のケースでは死に至ることもあります。
胃捻転をおこしたら、時間の経過とともに死に至る確率が高くなり、すぐに処置が必要な緊急性の高い病気です。
原因
大量に食べたり飲んだりした後、すぐに運動すると、おなかの中で重くなった胃が左右にふられ、捻転してしまうことが多いとされています。
また、早食いや、胃でガスを発生しやすい食べ物の摂取、胃腸の運動の低下、ストレス、遺伝などがあげられますがはっきりした原因が不明のことも多くあります。
中~大型犬ではグレートデン、アイリッシュセッター、ドーベルマン、ボルゾイ、セントバーナード、ロットワイラー、レトリバー、アラスカンマラミュートなどが好発品種です。
小型犬ではミニチュアダックスフント、コッカー・スパニエルなどが挙げられます。
特徴としては胸が深い犬種に多く、肋骨の下に位置する胃が捻転するスペースが広いためとされています。
症状
吐きたい動作をするのに吐けない、大量のよだれを出す、落ち着きがなくうろうろする、おながが膨らむ、痛みから祈りのポーズをする、食欲がなくなる、水を大量に飲むが直後に吐くなどの症状が見られます。
進行すると、呼吸が浅く苦しそうになり、立っていることができなくなり、沈うつ状態となってきます。
治療
点滴でショック状態の改善をはかり、口から胃へのチューブ挿入や胃に針などを刺して胃のガスを抜きます。
犬の全身状態が落ち着いてから、全身麻酔で開腹手術を行い、胃の捻転を元に戻し、再発防止のために胃を固定します。
残念ながら、手術により胃を整復した後でも、圧迫や血行不良で機能が低下した臓器が回復しなかった場合は、状態が改善することなく死に至ることもあります。
また、胃を整復し血流が改善した際に、臓器で産生された、エンドトキシンという有害物質が一気に体内を駆けめぐり、不整脈を起こし心臓が止まってしまう事もよくあります。
アドバイス
胃捻転は、時間の経過とともに死に至る確率が高くなり、すぐに処置が必要な緊急性の高い病気です。
早く発見した場合でも20-30%の死亡率、発見が遅れた場合は50%以上の死亡率となります。
捻転が起こってから2-3時間以内に治療に入れることが理想的ですが、5-6時間以上経過すると回復は難しくなります。
飼い主さんが胃が腫れているのに気付いた時、初期の段階では、見た目だけで、ただガスがたまっている「胃拡張」なのか胃が捻じれた「胃捻転」なのかは区別がつきません。
しかし、胃捻転であった場合、夜間に発症することが多く、朝に病院に連れて行こうと思って様子を見ていると、時間とともにみるみる状態が悪化し手遅れになります。
胃が風船のようにパンパンに腫れた時には、とにかく一刻も早く動物病院で診察を受けてください。
夜の場合は夜間救急病院を探してでも連れていくことを強くお勧めします。
手術の際には、ある程度の時間や人員が必要ですので、もともと好発犬種を飼っている場合は、万が一の時に診察や手術をしてもらえる病院を事前に調べ、スピーディーに受診できるようにしておきましょう。
⇒犬の胃拡張、胃捻転の症状や原因や治療法。手術費用についても解説
さいごに
犬が伸びをしている時、ストレッチやプレイバウであれば、まったく問題ありません。
しかし、その姿勢が祈りの姿勢であった場合は、軽視できない状況が体の中で起こっている状態です。
一見似た姿勢ですが、前後の動きや、犬の表情、食欲や便の状態などを見れば簡単に区別はつくはずです。
祈りのポーズをしている場合は、一刻も早く病院で診察を受けないと、命に関わる場合が高いので、様子を見ずに受診することを強くお勧めします。
言葉を発することのできない犬の精一杯の「痛いよ、助けて」の表現ですので、見逃さないであげてくださいね。
「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」
「愛犬の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかる場合があります。
動物病院で治療すれば助かった命が年に何件もあります。
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