「犬が頻繁にくしゃみをしていて鼻水も出ている。もしかして鼻炎?」
「犬の鼻がつまっていてしんどそうにしている。何かできる対処法はある?」
こんなお悩みはありませんか?
犬が鼻づまりでしんどそうにしていたら、飼い主の方は「何が原因だろう?スッキリさせる方法はないのかな?」と心配になりますよね。
今回は「犬の鼻づまり」にスポットをあてて、原因となる病気や対処法について詳しく解説していきたいと思います。
目次
犬が鼻づまりになるとどんな症状が出る?
犬の鼻づまりの症状とは、主に鼻水が垂れたり、くしゃみやいびきなどの症状が出ることを言います。
また、目で作られた涙は鼻涙管と呼ばれる管に押し込まれ鼻の奥に流れていくので、鼻づまりが酷いと涙目になることもあります。
原因となる病気によっては食欲や元気がなくなったり、鼻血を引き起こすこともあります。
犬の鼻づまりはどんな病気が原因?
では具体的にどんな病気が鼻づまりを引き起こすのかを見ていきましょう。
鼻炎
犬の鼻腔の粘膜に炎症が起きることを鼻炎といいます。
原因
犬に見られる鼻炎には、ウイルス感染症、細菌感染などの感染症の他、アレルギーなど様々な原因で起こるとされています。
中にはリンパ球プラズマ細胞性鼻炎など、発症した原因がはっきりとしない慢性的な鼻炎もあります。
症状
鼻炎になると、前述の鼻づまりの症状(涙目、鼻水、くしゃみやいびき)や、元気食欲の低下といった症状が表れます。
診断方法
急性におこった鼻炎であれば自然に症状が緩和していきますが、慢性的な鼻炎であれば後述する鼻腔内腫瘍と鑑別する必要があるため、CT検査や組織診、細菌および真菌培養検査を行うことがあります。
治療法
鼻炎の原因にもよりますが、急性の鼻炎であれば対症療法として抗生剤や消炎剤などを投与します。
リンパ球プラズマ細胞性鼻炎など通常の鼻炎の治療でコントロールができない慢性的な鼻炎に対しては、ステロイド剤を使用することもあります。
鼻腔内腫瘍
今まで鼻炎の症状の見られたことのない高齢の犬で慢性的に鼻づまりが持続する場合、鼻の中に腫瘍が出来ていることもあります。
症状
鼻の中に腫瘍ができると、前述の鼻炎の症状の他、鼻血、鼻や頬が腫れたり、片目だけが飛び出してくるなどの顔面の変形もみられることがあります。
また、病状が進行すると鼻血による貧血や黒色便(メレナ)、食欲不振や元気の低下といった全身的な症状が表れたり、脳まで腫瘍が広がってしまうと痙攣などの神経の症状が見られたりします。
鼻腔内腫瘍は特に8歳以上の高齢犬が多いと報告されています。
腫瘍の種類
犬の鼻の中に発生する腫瘍にはいくつか種類があります。
具体的には腺癌や扁平上皮癌、リンパ腫などが挙げられますが、中でも腺癌や扁平上品癌が発生頻度としては高い腫瘍になります。
診断方法
鼻血や顔面の変形が見られた場合は、鼻腔内腫瘍が鼻づまりの原因として疑わしくなりますが、どんな腫瘍なのか、どこまで腫瘍が広がっているのかを診断しないと治療方法を選択することができませんので、精密検査(生検と呼ばれる細胞診や組織検査、CT検査)を行うことが重要です。
治療法
治療方法は腫瘍の種類や進み具合によって選択肢が異ってきます。
一般的に犬の鼻腔内腫瘍は、腫瘍のできている部位が顔面であるということ、飼い主の方が気付いた時点で広範囲に腫瘍ができているケースもあるため、外科手術の適応にならないことも多い病気です。
その場合は、放射線治療や抗がん剤の投与などの治療法の他、消炎鎮痛剤など対症療法を検討します。
歯根膿瘍
鼻づまりは鼻の病気だけではなく、“歯根膿瘍”といった歯の病気から引き起こされることもあります。
原因
歯根膿瘍とは歯を支えている骨まで細菌が感染した状態のことを言い、その原因は“歯周病”になります。
歯周病とは、歯垢の中の細菌が毒素を出すことによって引き起される歯肉炎と、歯肉炎が悪化し歯周組織にも炎症を起こした歯周炎を総称したものを言います。
3歳をすぎるとほとんどの犬に歯周病が引き起こされていると言われており、どの犬にも歯周病は見られるのですが、特に小型犬(中でもミニチュアダックス)では歯根膿瘍を起こしやすいことが知られています。
症状
犬が歯周病になると、口臭が強い、よだれが多い、よだれに血が混じる、膿っぽい鼻水が出る、くしゃみが多い、くしゃみに血が混じる、口を触ると怒る、フードを食べづらそうに食べている、などの症状が出ます。
また固いものやおもちゃを噛んだりしただけで歯がグラグラしたり抜け落ちたりします。
そして歯周病が悪化し、犬の犬歯(いわゆる牙)に歯根膿瘍を作ると、上顎の骨が溶かされ鼻腔内まで炎症が広がってしまい、まるで鼻炎のような鼻づまりの症状や発熱、元気や食欲が低下するといった症状が出るようになります。
診断方法
どの歯が原因で鼻づまりを起こしているかを診断するためには、歯科用レントゲン検査やCT検査が必要になります。
治療法
抗生剤の内服で一時的に症状が軽減することがありますが、根本的な治療には全身麻酔下で歯石除去を行ったり、必要に応じて抜歯を行っていきます。
犬の鼻づまりの対処法とは?
鼻づまりで苦しんでいる犬を楽にしてあげるには、当然のことながら動物病院で診断を受け適切な治療を受けることが前提になるわけですが、「なかなか治療してもよくならない」、「少しでも愛犬を楽にしてあげたい」という飼い主の方に向けて、ご自宅でも簡単にやれる対処法をご紹介したいと思います。
鼻の周りをキレイにしてあげましょう
鼻水が乾燥して固まり、鼻の穴を塞ぐと息苦しくなってしまいます。
犬は自分でそれをとることはできませんので、水で濡らしたガーゼやコットン、あれば清浄綿などで乾いた鼻水を湿らせてから、優しくキレイにしてあげるといいでしょう。
この時、アルコールを含んだ人間用のウェットティッシュは犬の嗅覚を強く刺激しますし、皮膚にも悪いので使用しないようにして下さい。
もしこびりついてなかなか取れない、犬が強く抵抗する場合は、無理のない程度に少しずつ取ってあげるようにしましょう。
フードの与え方も変えてみよう
人間もそうですが、鼻が詰まり嗅覚が落ちると味覚まで鈍く感じますよね。
犬も同様に食事の臭いで食欲がかき立てられますので、鼻づまりが酷くなると食欲が落ちることがあります。
歯根膿瘍や鼻の中に腫瘍が出来ていると痛みが強く、固い物を食べることができなくなってくることがあります。
食事をとらない時間が長くなると治療に必要な体力も落ちてしまいますので、ドライフードより嗜好性の高いウェットフードをあげてもいいでしょう。
鼻水が多いと脱水もしやすく水分摂取もしづらいですので、ウェットフードは水分も摂取することができますので、おすすめです。
もし日頃からウェットフードをあげているなら、電子レンジで少し温めてあげるとニオイが強くなるので、食欲を刺激することができます。
快適な湿度を保とう
空気の乾燥も慢性鼻炎の粘膜を刺激することがあります。
適度な湿度を保つために、特に冬場は加湿器を使用してみましょう。
さいごに
人間は比較的日常的に鼻血を出すことがありますが、犬の場合は明らかな外傷がない限り滅多なことでは鼻血を出すことがありません。
「高齢の犬から鼻血が見られている」という場合は、何らかの病気のサインととらえるようにして下さい。
「愛犬を動物病院に連れていきたいけど費用はどのくらいかかるんだろう?」
「愛犬の病気を治してあげたいけど高額費用を支払う余裕がない…」
という飼い主さんはとても多いです。
動物病院で治療する場合、病気によっては10万円以上かかる場合があります。
動物病院で治療すれば助かった命が年に何件もあります。
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