愛犬が水を多く飲む、という時には「糖尿病」などの病気を思い浮かべる飼い主が多いのではないでしょうか。
水を大量に飲む、というのは重要な病気のサインです。今回は犬が水を大量に飲むのと同時に、吐く症状を示す原因をまとめてみました。
■犬が大量に水を飲むのはどんな時?
犬が大量に水を飲むようになった場合「ホルモンの病気」「泌尿器系の病気」が考えられます。
ホルモンは下垂体、甲状腺、上皮小体、副腎、すい臓などで作られます。これらの臓器から分泌されるホルモンに異常が生じると「大量に水を飲む」という症状がよく見られます。
症状が進行していくと食欲低下、元気喪失、嘔吐や下痢などの症状も出てきます。
泌尿器とは尿を作り出す臓器です。腎臓・輸尿管・膀胱・尿道などが含まれます。中でも腎臓は尿を作り出す臓器で、機能が1/3になっても正常に尿が作れるくらい余力があります。
正常な尿が作れなくなると、腎臓はほとんど機能しない状態になっています。全身に老廃物や毒素が回るようになり、嘔吐や下痢を始めとする全身性の異常が出るようになります。
犬が大量に水を飲むようになったときは、症状が進行している状態とも言えます。できるだけ早く気づいて動物病院へ行き、治療を受けるようにしてください。
■ホルモンの病気
ホルモンの病気には、糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群、アジソン病、放尿症などがあげられます。
ホルモンは特定の機能に作用します。複数のホルモンがそれぞれ異なる機能に作用し、全身でバランスを取ることで体が正常に機能します。
ひとつのホルモン量が減ったり過剰に増えたりしてホルモンバランスが崩れると、全身の機能に異常が現れます。
解りやすい異常としては、水を大量に飲むほか、元気喪失、食欲減退、運動意欲低下、嘔吐、下痢などの症状が出ます。
犬種によって掛かりやすい病気もあります。次のような犬種は特に注意が必要です。
・クッシング症:プードル、ビーグル、ダックスフンド、テリア系犬種
・アジソン病:プードル、コリー
なお、糖尿病やその症状が進行した糖尿病性ケトアシドーシスは、肥満が原因になることが多くあります。
肥満は全犬種、注意が必要です。特に室内飼いで運動不足になりがちなケースは要注意です。フードやおやつも多様化しており、摂取カロリー・運動・栄養バランス・必要エネルギーなどに注意し、犬種・年齢に応じた環境を整えることが重要です。
■泌尿器系の病気
泌尿器系の病気には、腎不全(腎臓機能が著しく低下した状態の総称)、腎炎、膀胱炎、尿路結石、ネフローゼ症候群などがあげられます。
こうした泌尿器系の病気によって尿が正常に作られなくなると、全身に老廃物や毒素が回るようになり、全身性の異常が出てきます。
ただ、目立った症状が現れた時には既に末期症状にあることが多く、完治は難しいケースがほとんどです。
特に尿毒症の症状が現れると末期症状です。
酷いケースでは、余命数日、というケースもあります。対処療法で延命するものの、数ヶ月の命(一年は難しい)ということもありますので注意が必要です。
■犬が水を大量に飲む時のNG行為
犬が水を大量に飲む時、絶対にやってはいけないのが「飲水量の制限」です。
水を飲むから吐いたりするのではなく「体に異常があって水を大量に欲している」のです。
ですから、必ず「新鮮な水を好きなだけ飲めるように」する必要があります。根本治療を行わなければ「大量の水を必要とする状態」は変わりません。
ただし、水を飲んですぐ嘔吐する、ということを繰り返すようであれば、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
嘔吐を繰り返すと、電解質など水以外のものも大量に失い、体力も消耗します。また、嘔吐した時に吐いたものが気管・肺の方へ逆流して炎症を起こす危険もあり、最悪の場合は、嘔吐したものが気管に詰まって呼吸困難に陥る危険もあります。
嘔吐を繰り返す場合は、絶食が必要になります。絶食して輸液や点滴、栄養剤などを使って体内の水分や電解質バランスなどを整えながら治療する必要があります。
これは獣医師の指示のもとで犬の状態を監視しながら行わなければ、脱水症状を起こす危険があります。必ず動物病院で治療・アドバイスをもらうようにしてください。
■まとめ
犬が大量に水を飲んで吐く原因は「ホルモンの異常」「泌尿器系の異常」が考えられます。
それぞれ、症状が進行してからでなければ顕著な症状が現れないことも多く、末期症状になって治療不能な状態で気付くことも少なくありません。
普段から犬の様子を観察することを心がけ、定期的な健康診断や小さな異変のチェックも忘れないようにしてください。
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